http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
  
 新潟動物ネットワーク  
No.118

東北地方太平洋沖地震 被災地応援ボード 
~ペットを飼っている被災者のみなさまへ~
http://ndn2001.com/ndn/animal-support/index.html


動物愛護法が改正されました


1973年に動物保護法ができて以来、3回目の改正となる新しい動物愛護法が9月1日から施行されました。ようやく社会の実態に追いついた内容になった印象ですが、正しく用いられなければ意味はありません。
動物福祉に配慮した命ある存在として、社会が正しく愛護動物を位置づけしていくことが必要です。

動物取り扱い業者の規制が強化されました。
 たとえ1匹でも有償で犬猫を販売する人は第1種動物取り扱い業者の登録が必要です。
 今回の改正で条件に合う営業ができないから廃業を決めたという話も聞いています。
 身近で繁殖している人がいたら、是非、確認してみてください。
 1、「犬猫等健康安全計画」という、適正飼育のための計画書を作ることが義務づけられました。
 2、ネット販売の規制ができました。
   販売する際に実際の動物を見せること、直接、飼い主に対して書面で飼育方法や出生履歴などを渡すこと
   が義務づけられました。

 3、子犬、子猫の販売月齢が制限されました。

   ただし施行後3年間は45日、さらにその後、別に法律で定める日までは「49日」に読み替える、
   というおまけつきですが。

 4、他の法律で有罪になった場合、動物取扱業の登録が一定期間拒否できるようになりました。

   (他の法律=狂犬病予防法、鳥獣保護法、種の保存法、特定外来生物法)

 5、「第2種動物取扱業」が新設されて届け出が義務づけられました。
   非営利でシェルターを持つ保護団体や公園の展示施設、公的な訓練校などが該当します。

行政は状況に応じて犬や猫の引取りを拒否できるようになりました。
  繁殖業者の持ち込み、繰り返しの持ち込み、飼い主本人が努力して里親探しをしていない、
  高齢や病気が理由での持ち込みなどは、飼育者本人の責任での終生飼養や飼い主探しが
  求められるようになりました。

多頭飼育の適正化
  地方自治体が多頭飼育に関する条例を設けることができるようになりました。
  また、多頭飼育が原因で起きていたと思われる虐待について勧告・命令が出せるようになりました。

災害対応
  災害時の動物対応に関して、各県で作る動物愛護管理推進計画に盛り込むことや、
  動物愛護推進員の役割として災害時の動物避難や保護に対する協力が追加されました。

その他。。。
 法律の目的に遺棄の防止、動物の健康及び安全の保持、動物との共生等、動物の側にたった内容が
  盛り込まれました。

 愛護動物の殺傷は2年以内の懲役または200万円以下の罰金、虐待は100万円以下の罰金に
  強化されました。

 酷使や疾病の放置など虐待の具体的事例を盛り込むこと、獣医師が虐待を発見したときの通報努力規定が
  定められました。

 マイクロチップの装着に向けての検討が開始されます。
 特定動物は最初の許可の際に万が一飼えなくなった場合にどうするか明記することが義務づけられました。


新潟市にも独自の動物愛護条例が制定されました。

飼い主はもちろん、さまざまな立場からの責任を明確にしたことが特徴の条例です。特に注目すべきなのは、
10頭以上飼育する人(多頭飼育)が届け出制になったことと、猫の原則室内飼育や不妊去勢、のら猫の
お世話をする人は餌やりだけでなく不妊去勢や周辺環境への配慮も求められました。

9月末日で多頭飼育は66件の届け出がされました。
NDNも長年にわたり悲惨な多頭崩壊に取り組んできましたが
行政は法的根拠がないことから動くことができず歯がゆい思いをしたこともありました。
多頭飼育の届け出は、周辺への迷惑行為(鳴き声や糞など)への配慮はもちろん、個人がきちんと飼える数の目安として、また、災害などの非常時に適切に対処するためにも有効だと思います。
行政に強力な権限が与えられた訳ではありませんが、実態把握の一歩として期待したいところです。

猫は外に出す方が幸せだと考える方もまだ多いと思います。
しかし、不妊去勢しないで外に出ている飼い猫がいることで、
多くの望まれない子猫が生まれている現実があります。昔と違い、交通事故や猫が嫌いな人による虐待などお外は安全な場所ではありません。
たくさんの子猫が保健所に持ち込まれたり、
野良猫として過酷な一生を終えている負の歯車を止めるきっかけになればと思います。
一方で、これまで地域のトラブルになることも多かった野良猫の存在が、きちんとお世話をすることで
その存在を公に認められたことにもなります。餌やりだけして不幸な猫を生み出しているような方に対しての警告にもなります。

個人的には今年は別れの年となりました。
14年、15年、16年と一緒に過ごした愛犬が3匹続けて亡くなりました。
彼らは自らの生をひたすら全うするだけで、人間ばかりが涙もろくなりました。
動物愛護活動をともに過ごした相棒たちを失ったものの、活動にまだ終わりは見えません。
もう少しがんばれば、納得のいくゴールにたどりつけるでしょうか。
そうなる日が早くくれば良いなあと思います。




新潟動物ネットワーク/代表
岡田 朋子
平成25年11月1日掲載


新潟動物ネットワーク  バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    ~猫の一時保護を通して~
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク 30 リニューアルしました
31 今年は写真展とトークショー 32 優しい出会い
33 小さな命の移動販売 34 クーちゃんと暮らして
35 山に捨てられた猫 36 こどもたちに「命の大切さ」を伝える活動
37 ある犬の繁殖場 38 ある繁殖業者の廃業
39 愛犬からのメッセージ 40 聴導ねこ誕生!?
41 新潟動物ネットワークに参加して 42 気になっている事
43 中越沖地震 44 NDNフェスティバル「身近な動物問題に目を向けて」
45 NDNフェスティバル
 「身近な動物問題に目を向けて」を終えて
46 猫の譲渡会をします
 47  動物との係わり合いとアクシデント 48  NDN カレンダー
 49 雑感・携帯当番 50 犬の一時保護活動を通じて
51 ホームページのリニューアル 52 大平森林公園での犬の譲渡会を終えて
53  犬と猫の譲渡会 54 子猫を拾ってしまった
55  今年のフェスティバルは盛り沢山 56 進化していくNDNフェスティバル
57  譲渡会を終えて思う事(犬班) 58 「わんにゃんカーニバルIN朱鷺メッセ」を視察して
59 子猫を拾って  60 カレンダー送付係を担当して
61 猫の譲渡会での出会い 62 高齢猫「ぽっつ」
63 新潟動物ネットワーク(NDN)のスタッフとして 64 犬好きおばさんの話
65 気になる季節になりました 66 ゴールデンルール
67 新潟市で猫の不妊手術の助成金制度 68 今年もNDNフェスティバル2009開催!!
69 犬たちの暑い夏 70 「猫にピアス」
71 えほんのよみきかせ 72 犬の譲渡にまつわる思い
73 新年の始まりの交流 74 ホメオパシー勉強会
75 トラちゃんとミケちゃん 76 黄色いエンヤコラ
77 にょろ松イリュージョン 78 切なる夢
79 NDNフェスティバル2010 80 NDNフェスティバル2010
81 小さな命 82 赤い首輪
83 見果てぬ猫の楽園 84 継続は力なり
85 ペットショップに行く前に
        …ぜひ犬猫譲渡会へ!
86 雪の日に保健所を訪ねて
87 全ての尊い命 88 大震災に思うこと
89 恒例!
  NDNフェスティバル 2011のお知らせ
90 猫算(ねこざん)恐るべし!!
91 インターネットと現実
~ボランティアに保護されている犬猫は福島県だけで1300匹以上いる~
92 『同伴避難』~
~家族だからずっと一緒~~児玉小枝著~~出版に寄せて
93 「たくさんの想い」 94 新潟県動物保護管理センターにおける保護動物の譲渡活動について
95 NDNの活動を振り返って 96 新潟県のみなさまのお蔭で。
97 子供達と考えるペットの命〜 学校訪問活動 98 今年も猫の季節が近づいてきました
99 NDNのボランティアとして参加してみて 100 6月24日開催
 ★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(1)
 〜新潟県初
  「太田康介氏・のこされた動物たち写真展」開催〜
101 6月24日開催
★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(2)
〜新潟県は「ペット同伴避難訓練発祥の地」です〜
102 NDNフェスティバル「震災を考える」を終えて
103 「新潟県動物愛護センター見学記」 104 「動物愛護フェスティバル」
105 <動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました> 106 涙の数は人間のためより動物の方が多い
107 NDNでボランティアをして思うこと 108 *NDNの譲渡会*
109 表参道・新潟館ネスパスでの「講演会」&
汐留メディアタワーでの「写真展」のご案内
110 シンポジウム
 「被災動物とペット防災を考える」のご報告
111 野良猫から幸せニャンコへ 112 <動物愛護管理法改定に寄せて>
113 祝!!新潟市動物愛護センターオープン 114 NDNスタッフになって
115 自己管理とボランティア 116 保護猫たち
117 今年も「NDNフェスティバル2013」を開催します! 118 動物愛護法が改正されました

新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
   もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・
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