新潟動物ネットワーク No.37 |
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ある犬の繁殖場 |
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佐賀や大阪のブリーダー崩壊、虐待事件など、全国のあちこちで動物達の悲惨なニュースが報道される中、私自身、職場近くの繁殖犬たちの悲惨な状況に切ない思いをしています。 そこは、作業小屋と全く日の当らない農作業用の大きな建物。中には約70匹の犬が繁殖用として置かれています。餌を満足に与えられず、敷かれている新聞紙は排泄物で汚れて破れ、ケージの錆びた鉄には長年の埃や糞がこびりついています。ケージには水がなく、給水器はあっても中はカラカラに乾いて苔が生えています。ブリーダーは、「餌に水を混ぜているから、水は本来あげなくてもよい」と言います。この人には他に本業があり、毎日70匹の犬たちの世話をきちんとできるわけなどありません。近所からは、悪臭と鳴き声がうるさいと以前から不満はあるものの、地域柄、なかなか表立って苦情が言えず、この状態が何年も続いています。 この現場を目の当たりにした私は、あまりのショックに仕事が手につかず、家にいても犬たちのことが気になり、ついに新潟動物ネットワークの岡田さんに相談、同行してもらって、ブリーダーの叔父にあたる人と会うことができ、水やりや掃除のための出入りを許可してもらいました。この人も、現場の不衛生な状態にはとまどいを感じていると言うものの、自身も飼っていたチワワが目の病気で尻癖も悪いという理由で、いとも簡単にこの暗い小屋に放り込み、2匹目のダックスも、孫が飽きた、盛りがきたという理由でブリーダー仲間の手に引き渡すような人です。鳴く犬のケージを鉄棒で叩いたり、怒鳴ったりする姿に、動物をいたわる気持ちなど微塵も感じられません。今は繁殖犬としてケージの中にいる一度は家族として飼われていたチワワが、怯えた目で彼を見つめます。 どの犬も人懐こく、私が行くと悲しい目をしながらも尻尾を振って寄ってきます。汚れた新聞紙を取り替えると、シーズーらしき犬は喜んでくるくると転がっていました。あまりに汚れて毛が伸び放題のために犬種がわからない犬が多く、身体中うんちだらけにしながらガツガツと餌や水を飲み、それでも足りずもっとと欲しがる犬たち。こんなに暗くて寒い所で大丈夫なのか、餌は一体何日前に食べたんだろう、と思いながら、ひたすらお世話をするものの、私1人では到底すべての犬を世話することはできず、後ろ髪をひかれる思いで家に帰ることの繰り返しで、涙がとまらない毎日です。 出産直後の2匹のダックスが、うんちまみれの中、必死に赤ちゃんを守っていました。繁殖犬は定期的に子供を生み、しばらくすると子犬は売られていきます。母犬は、その後もケージの中で一生暮らし、繁殖期を終えた犬は同じような悲惨な状況の繁殖所に引き取られ、適当に餌をもらいながら死ぬのを待つだけです。 このようなブリーダーが今後も繁殖業を続けていいものでしょうか。犬たちは、暖かい家庭で愛情たっぷりの中で生きるために生まれてきたのではないでしょうか。 |
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新潟動物ネットワーク 石川 紀子 平成19年2月1日掲載 |
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新潟動物ネットワーク 090-2844-4881 メールndn-land2@picot.ne.jp http://ndn-land2.picot.ne.jp/NDN_HP.html 新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。 もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・ ※里親になってくださる方はこちらから※ http://www17.plala.or.jp/ndn/ |
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