新潟動物ネットワーク No.98 |
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今年も猫の季節が近づいてきました |
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4年ほど前から、ある施設に捨てられたり、迷い込んで来た猫たちの里親探しのお手伝いを個人的にしています。周囲には一般住宅がない広い敷地に現在50匹ほどの猫がいて、個人のお宅の飼い猫とまではいきませんが、できる範囲でお世話をしてもらっています。話を聞くと、10数年前に1匹の猫が捨てられたことから始まったそうです。その猫はお腹に赤ちゃんがいて、子猫を産んだ後に不妊手術をして、里親探しで残った子猫は施設のアイドルになりました。敷地でのんびりと過ごす猫が幸せそうに見えたのか、その後、少しずつ、猫が捨てられるようになったそうです。 「子猫が産まれたから捨てに来た。」 「ここに捨てれば、猫はしあわせだろう。」 捨てる人が何を思って猫を連れてくるのかわかりませんが、その数はどんどん増えて、昨年は、1年間で30匹以上の猫が捨てられてしまいました。(正直言って、この数は恐怖です。)子猫は里親探しをして、成猫は里親探しをしつつ、メスは全て不妊手術をして、オスは(全て手術すべきですが)状況に応じて順番に手術をしています。昨年は猫パルボという怖い病気で10匹以上が亡くなる悲しい出来事があり、今はワクチン接種もしています。敷地の中を自由に過ごす猫と、専用の猫部屋で過ごす猫の2つがあり、子猫はそれとは別にケージで保護しています。 しかし、そもそも、これらの猫たちは、施設で飼うためにいる猫ではありません。医療費も食費も大変な額になります。広い敷地では監視カメラを設置することもできませんし、看板を立てれば逆効果になってしまうでしょう。こんな状況を見るに見かねて里親探しの手伝いを始めるうちに、捨て猫問題に怒り心頭・・・いえいえ、現実を肌で感じるようになりました。不妊去勢手術の必要性を理解していない人がいかに多いか、猫を捨てることを安易に考えている人がいかに多いか。そして、これほどのケースではないにせよ、捨て猫やのら猫と偶然関わってしまった人は、捨てた人の無責任さに腹立たしさを感じながらも、罪のない猫たちを救う為に自分の時間とお金を使うわけです。 3月に入り、猫にとっては繁殖のシーズンに入ります。 今ならまだ、間に合います。 飼い猫を外に出している方は、どうか、手術をしてください。 のら猫に餌だけを与えている方は、勇気を出して手術をしてください。 そして、自分が世話をしてきた猫を絶対に捨てないでください。 NDNでは、のら猫のお世話をしている方に対して不妊去勢手術の助成金制度を設けています。毎月1回、譲渡会を開催して、新しい飼い主さんとの縁結びもしています。捨てる行為に怒りを覚えつつ、愛情溢れる優しい里親さんと巡り会えたときの喜びは、何にも代え難いものがあります。今年はみゃーみゃーというかわいらしい声を、どうか聞かずに済みますように・・・。 |
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岡田 朋子 | ||
平成24年3月1日掲載 | ||
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