新潟動物ネットワーク No.42 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
気になっている事 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今や年間入場者数、日本一になった北海道旭川市郊外にある旭山動物園。自分の生まれ育った地から有名なものが出るのは、かなり嬉しいものだ。動物たちの生態に即した展示エリアを造成、完備するためにあれほど思い切った変化を実行した職員さんや関わった方たちの多大な努力と情熱以上のものを感じる。 昔の旭山動物園は、観る方も観られる方も辛かったように思う。単に檻という入れ物の中で右に左に行ったり来たりするだけの猛獣。コンクリートに囲まれ、日除けもない展示スペースで動物たちは、ただグッタリと横たわっていた。「なんで、こんな風にしたのかな?」と子供心にも酷い作りだと思った白熊の展示スペースは、わざと斜め40度くらいに傾けた滑り台のようなスペース。その下には横に細長い緑色の水が入ったプールがあった。 「白熊のお母さんが子熊の腕を咬みちぎったんだって。恐いね〜。」ある日、母が教えてくれた。想像力たくましい私は、その状況を思い描いて、咬まれた子熊のことを思って震えた。学校の遠足や子ども会の行事で年に一度は、動物園を訪れていたが母熊に腕を咬みちぎられた子熊も大きくなっていった。 それから、数十年、旭山動物園は、大きく変わって白熊は、人気ナンバー1だ。白熊のエリアは、浄化設備の付いた大きなプールには、きれいな水が溢れていて、そこには、滝まである。 オランウータンエリアには、空中散歩が出来る高くて長いロープが張ってありそこを悠然と渡っている。水中トンネルを歩くとペンギンの群れが頭上をすごい速さで過ぎて行く。躍動に満ちた動物たちを観るお客さんは、驚いた顔と驚嘆の声、そして満面の笑顔だ。ある学者が「人間は、対象となるものが幸せそうにしている姿に幸せを感じ、癒される」と言っていた。やはり、子供の頃の動物園が観るのも辛かったのは、動物たちが幸せでは、なかったからだ。子熊の腕を咬みちぎった母熊も今なら「ストレス」がそうさせてしまったのだと分かる。 では、動物園の動物たちよりもグッと身近に居る犬や猫たちは、どうだろう?散歩もして貰えず、不潔な餌入れの前で汚れた犬がジーッとしている。この犬も飼い主も初めから、こうだったのだろうか?生まれたばかりの子猫を捨てた人は、その先この罪を一度も思い出さずに暮らしているのだろうか? 我が家には、悲惨な過去を持つ犬や特別な世話が必要な犬がいるがのんびりと寝ている姿から「受けるより与える方が幸福」という言葉の意味を味わっている。 あの片腕のない白熊は、もう動物園にはいない。もう、死んでしまったのかもしれない。時折、思い出すその白熊の姿は、昔のまま、憐れだが少しでも幸せや楽しさを知ることは出来ただろうかと未だに気にかかっている。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成19年7月1日掲載 新潟動物ネットワーク 片野 ヒフミ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新潟動物ネットワーク 090-2844-4881 メールndn-land2@picot.ne.jp http://ndn-land2.picot.ne.jp/NDN_HP.html 新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。 もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・ ※里親になってくださる方はこちらから※ http://www17.plala.or.jp/ndn/ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|