馬・・と聞くと大多数の方は「競馬」を想像される事と思います。しかし、野生の中で生活している馬が全速力で走るのは、恐怖に駆られている時だといいます。

人為的に走るための道具として作られた馬でさえ、一度レースでゲート入りをすると次回は嫌がる事があるそうです。それは、苦しい競走があることを馬が経験によって知ったためだといわれます。一攫千金を狙う人々の夢を乗せて馬達は走らされる訳ですが、馬の立場にたてば、苦痛と恐怖の時間の流れにすぎません。動物の命が金儲けにつながる時、動物の悲劇が始まりますが、競走馬も例外ではありません。種馬として余生を保証される馬は、ほんの一握りです。何千万円、何億円と稼いだ馬たちが再度地方競馬で走らされたり、乗馬クラブや観光用として働かされたりしますが、うまく成績が上げられなかった馬は、動物実験や食肉用として使い捨てにされてしまうのです。また、運よく乗馬クラブへ引き取られたとしても、そこできちんと世話をしてもらえず虐待され死んでいく馬もいるのです。

多くの馬がおだやかに余生を送ることができません。馬は家畜だから人間の自由にして当然という意見もありますが、そうでしょうか？

競走馬、日々放映されるノリの軽いCM、ロマン、楽しさばかりが強調されていますが、外から見えない現実と競走馬達の受難のありさまを、もっと多くの人々に知って欲しいと思います。

参考文献　ELSA会報　藤原英司

馬の保護活動をしている団体（参考）

・馬の保護管理研究会 ⇒http://www009.upp.so-net.ne.jp/epmrp/

・いななき会　〒143-0015東京都大田区大森西5-10-8

・アラシの会 　http://www.eonet.ne.jp/~arashi-hinata/

新潟動物ネットワーク
長谷川　千里
平成１６年５月１日掲載