新潟動物ネットワーク No.96 |
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新潟県のみなさまのお蔭で。 |
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3.11の東日本大震災により、多くの避難者が犬や猫、ウサギなどのペット同伴で会津若松の体育館、公民館、ホテル、学校などが避難してこられました。 しかし、どの施設にもペットは入れず、まだ雪の降る寒い中、ペット達は駐車場の車の中に、中型・大型犬は軒先に繋がれていました。 飼い主さん達にお聞きすると避難所はペット禁止との事。配給されるパンやおにぎりをペットと分け合い、ガソリンも無いのでヒーターも付けれない車の中で毛布にくるまって一緒に寝ているとの事でした。 会津若松の社会福祉協議会へ行き、避難しているペットの為にボランティア活動をしたいと申し込みに行った所、犬猫などのペットの為のボランティア活動は無い、と言われました。 その内、体育館や公民館の軒先に繋がれていた中型・大型犬の中から飼い主さんが保健所へ殺処分を依頼した犬が出た事を知りました。 放射能汚染で自宅へは帰れない事、避難所から避難所へと転々と移動しなくてはいけない事を懸念した末の決断だったそうです。 その時、私は「もう、会津の避難所からは1頭も殺処分は出したくない」と強く思いました。中央の大きな組織に、救援をお願いしましたが、混乱していました。 ちょうど同じ頃、インターネットのブログで知り合ったのがNDNのスタッフさんです。会津の避難所の現状をお話した所「新潟県にはペットと一緒に避難できる施設がある」と資料を送信していただき、それらをプリントアウトして各避難所の駐車場を回り、ペットが乗っている避難者さんの車をさがしてはワイパーに挟んで歩きました。 それというのも情報が混乱していて、新潟県が受け入れをして下さるという情報が肝心の飼い主さんに届いていなかったのです。 また、NDNさんでも代表の岡田さんが、警戒区域市町村でこれから造られるだろう仮設住宅でペットも一緒に住めるようにと、中越地震の経験を元に資料を各市町村に提出していたところでした。 会津若松に機能を移転した大熊町役場にもその資料は届いており、岡田さんとスタッフさんが役場担当者を訪問、仮設住宅のペット同居可の話を進めて下さいました。いまだペットと一緒に住めない仮設がある中で、大熊町の仮設はすべてがペットOKとなりました。 その後もたくさんの支援物資を持って会津の借り上げ施設を訪問して下さいました。各避難所を回り、物資配布や飼育調査票制作などを共に行ってきました。 仮設ができた後もその集会場で飼い主さんへの飼育相談会を大熊町役場が開きましたが、その講師として岡田さんやスタッフさんが来て下さいました。要望があればペットのしつけなどで困っている飼い主さんの仮設を訪問し、実際に環境を見ながら改善のアドバイスをして下さいました。 会津若松に避難されてきたペットと飼い主さんを助けたいと思っていた私ですが、一人で活動していた時は限界がありました。家中の毛布を持って行っても足らないし、盗難などの横行から個人ボラは怪しまれて避難所に入れない時もありました。助けたいという気持ちも絵に描いた餅のようでした。 しかし今では大熊町をはじめとする行政や飼い主さんとも顔がわかるようになり、助けたいという気持ちを行動に移せるようになりました。現在でもNDNさんからは支援物資が届いたり、飼い主さんの一時預かりの手配、活動における自身の悩み相談をするなどの後方支援を行っていただいています。支援物資も新潟県はもちろん全国からいただいている物だとお聞きしています。本当に感謝しています。この場をお借りして、皆様にお礼申し上げます。 せっかく一緒に避難してきたペットたちを保健所に持ち込まなくても良い環境を作れるお手伝いが新潟県のみなさまのお蔭でできました。 それでもまだ復興の途中です。飼い主さんとペットが安住できる家ができるまで支援は必要ですし、福島県のシェルターには飼い主さんと一緒に住めなかったり、新しい里親さんをさがす動物が山ほどいます。シェルターの職員さんもがんばってより良い環境を考えていますが、人手が足らず、散歩もままならない状態です。 どうか福島のことを忘れず、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。 福島県内のシェルターでは犬猫のお世話ボランティアを随時募集しています。 1日だけのお手伝い、継続してのお手伝い、どちらも可能です。 ボランティア不足で犬の散歩も難しい日があります。是非、ご協力ください。 |
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会津若松市ボランティア 佐藤文子 |
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平成24年1月1日掲載 | ||
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