新潟動物ネットワーク No.22 |
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外国人の目から見た日本の動物たち |
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9月4日に新潟動物ネットワーク恒例の講演会が行われました。今年は、日本で長く活躍しているオーストリア人のマルコ・ブルーノさんの講演でした。マルコさんは40年の日本生活で感じた事と母国のオーストリアの現状を、マルコさん流の面白くストレートな物言いで伝えてくれました。 マルコさんは20歳の時に来日し、その後、作詞家、翻訳や童話執筆、写真家として色々な分野で活躍しながら、動物愛護活動に取り組み始めました。「マルコの東方犬聞録」を始め、日本の動物問題・犬の飼い方等の本を多く出版しています。 講演の初めに、彼は、生まれ変わるのなら、日本の犬・猫にだけは生まれたくない、日本に来て一番カルチャーショックを受けたのは動物たちの姿だったと、一言、言いました。自分が今住んでいる足立区に引っ越してから見えてきた動物の飼い方に対する隠しきれない驚き、日本はどれほど動物に優しくない国であるか、日本とヨーロッパの動物の違い、などについて、スライド写真を使いながら現実的に話してくれました。彼が日本で撮った写真を見ると、鎖で繋ぎっぱなし、狭い所に入れっぱなしのストレスから、犬たちは独特の表情をしています。それに比べ、母国のオーストリアの犬は、のびのびとした生活のおかげで皆、顔が穏やかで、いかに楽しい生活を送っているかが一目でわかりました。オーストリアに比べ、日本人の動物に対する知識と理解のレベルは低く、飼い方が悪い事、日本の犬・猫は家族の一員ではなく、家畜以下の扱い方をされている事に気がつきました。 マルコさん自身は、長く山梨県の「犬捨て山」の酷い現場に関わってきました。1つ、その場所で起きた、聞いている人が泣かずにはいられないような話が紹介されました。それは、子供を失った母犬が、死んだ子犬を口にくわえて土に埋めようとした、というものでした。その時のスライド写真で見る母犬の悲しげな瞳が全てを物語っていました。マルコさんの言う通り、動物に感情がないと言い張る人に見せたい光景です。 最後は、オーストリアのシェルターについて、写真を見ながら話をしてくれました。先ず、オーストリアでは遺棄される動物の数は日本より少なく、ブリーダーやペットショップにも資格や規定があると話してくれました。そのため、捨てられる犬・猫等の数は少なく、捨てられた犬・猫はシェルターで保護されて、必要に応じて精神的なリハビリ・問題行動を直す訓練を受け、新しい飼い主が現れるまでそこで暮らします。マルコさんは、日本にも早くこのような制度を導入してほしいと言いました。しかし、現状では無理なので、先ずは蛇口を閉める事が大事です。 マルコさんは最後に次のような提案をしています。ペットショップを禁止して、ブリーダーの質を上げるために国家試験制度の導入を行い、犬の事を勉強した人にだけ繁殖許可を与える。それに加え、オーストリアのように「犬税(犬を飼う人が払う税金)を導入すれば、飼うハードルを高くすると共に、そのお金で捨てられた動物と野生動物を助けることができ、一石二鳥ではなく一石五鳥になると。 日本の動物事情を考える大変良い機会でした。 |
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新潟動物ネットワーク |
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新潟動物ネットワーク 090-2844-4881 メールndn-land2@picot.ne.jp http://ndn-land2.picot.ne.jp/NDN_HP.html 新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。 もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・ ※里親になってくださる方はこちらから※ http://www.ific.ne.jp/ndn.land/floor/rule.html |
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