新潟動物ネットワーク No.78 |
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切なる夢 |
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今、私は4匹の猫と暮らしている。両親が4年前に離婚して、母が置いていった猫1匹と、私が保護した元「捨て猫」3匹。一番古株の猫さんは、15年間一緒に暮らした猫さんを亡くした矢先に、知人からかかってきた1本の電話が縁で我が家にもらいうけた。 「近所に子猫が居ついて、たまにご飯をあげたりしていたんだけど、家では子供にアレルギーがあって、しかも動物が苦手なので飼えないの。恵子ちゃん飼えないかな?」獣医さんのミスで死んでしまった愛猫の事で自分を責め、ご飯も喉を通らない程の重症なペットロス状態の私は、当時、その余力も無く断った。 しかし、「近所の人が保健所に電話して引き取ってもらうと言っているの」と言う言葉を聞いてハッとした。保健所イコール殺処分という図式が頭をよぎったからだ。そんなことを聞いては、見て見ぬ振りは出来ず、ケージ、ミルク、ペットシートなど思いつく物を車に詰め込み、知人宅まで猛ダッシュ。お世辞にも可愛いとは言えないやせっぽちのその子猫は、手乗り文鳥の如く私の右肩に乗っかり離れなかった。 そんな小さな子猫が、今ではお腹の肉をぶらんと垂れ下げ、その余分なお肉は走るたびに右に左に揺れる。乙女なのに、そんな不恰好な肥満猫さんにしてしまった自分を日々反省。たまにダイエットフードを与えるも、全く効果なし。それどころか、その不満を私の部屋のフローリングの床に向け、粗相されるたびにダイエットは中止に追い込まれる。そんな困ったちゃんな所もあるけれども、両親の愛情を殆ど感じずに育った私は、たまに、ふと辛くなる事があり、そんな時、悲しい声で泣き始めると、キャットタワーのてっぺんからどどどどっーと大きな音を立て垂れたお腹を左右にぶらんぶらんさせながら私の所にすっ飛んできて、私のお腹の上に乗っかり顔を舐めたり首を舐めたりと、色んな所を舐めまくる。「元気出して」という彼女の心の声が聞こえてくる。保健所で命を落とすはずだったこの子に、今は私が救われている。(あの時、「後悔する選択」をしなかった事に、そして、連絡をくれた知人に感謝するばかり。) 他の猫たちも、皆、個性豊かで、「お返事して」と名前を呼ぶと返事をする子、顔を覗き込むと「きゃっ、きゃっ♪」と鳴いて喜ぶ子、綿棒を見せると膝の上に乗っかって耳かきをせがむ子。そして、4匹全員、ご飯を食べる時「お座り」と言うと、ワンちゃんの如くお座りをするという、「忠犬」ならぬ「忠猫」たち。こんなに素敵な子達を捨てるなんて、ありえない。 いつも、ぶつけるところの無い怒りを持て余していた私は、新潟動物ネットワークのひとりひとりの素敵なスタッフさんの動物達に対する深い愛情と、不幸な動物達を幸せにしたい、救いたいと言う強い信念を、この活動を通して肌身に感じ、私の心も救われている事に気付きました。この素敵なスタッフさん達がいるこのNDNの活動に、ひとりでも沢山の仲間が増えていってくれる事が、今の私の切なる夢です。 |
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新潟動物ネットワーク/多頭飼育現場改善班・猫班
吉村 恵子 |
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平成22年7月1日掲載 | ||
新潟動物ネットワーク 090-2844-4881 メールndn2@ndn2001.com http://ndn2001.com 新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。 もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・ ※里親になってくださる方はこちらから※ http://www17.plala.or.jp/ndn/ |
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