http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001

   新潟動物ネットワーク  No.8


多頭飼育班の活動について

 皆さんは「多頭飼育」という言葉を聞いたことがありますか?

あまり耳慣れない言葉かと思いますが、複数の動物を同時に飼育することを言います。普通私たちが複数の猫や犬を飼うとしたら、自分で面倒を見られるだけの数がおのずと決まりますよね。

しかし、2年前に私たちが出会った多頭飼育をしている男性は、どこから見ても飼育限度を超えているにもかかわらず、犬、猫合わせて80頭以上、鳩にいたっては数が把握できないくらい飼っていました。この動物たちを初めて目にした時はあまりの悲惨さに、こんな地獄のようなところがあるのかと目を疑いました。身動きできない小さなケージにいるもの、真っ暗なコンテナの中に押し込められているもの、釘で打ち付けられた木箱に何頭かで閉じ込められているものと、よく今まで生き延びてこられたものと思われる酷い環境のなかで、動物たちは暮らしていました。もちろん、フードも水も十分には与えられず、人間といったら飼い主しか見たことがないため、私たちを極度に怖れ、近づくだけでパニックに陥っていました。

飼い主に改善を要求しても埒が明かないため、私たちは一刻も早くこの状態から動物たちを解放してやりたく活動を始めました。最初は週1回、現場の犬、猫たちの糞尿清掃、給餌から始まり、スタッフによる新しい犬小屋作りなどの作業が始まりました。一度も散歩というものを経験したことがない犬たちに散歩の楽しさを教えるのには、スタッフも苦労しました。

2年が過ぎようとしているこの活動ですが、現場の環境は随分と改善され動物たちの表情が明らかに変わってきました。とはいえ、家庭で大切に飼育されている動物たちに比べれば、散歩は週2回私たちが行った時しかできず、冬は寒風のなかで寒さに震え、夏は暑さのなかで苦しんでいます。そしてほとんどの犬たちは重いフィラリアに感染しています。

私たちは、この動物たちの環境改善とともに、飼い主と交渉してできるだけ多くの犬、猫たちを新しい飼い主さんに譲渡するという活動を行ってきました。今までのところ、現場で生まれた子犬を含めて約40匹の犬、猫たちが新しい飼い主さんのところで幸せに暮らしています。

 現在、犬41匹、猫9匹を週4回世話していますが、この子たちに一日も早く暖かい家庭を与えてやりたいというのが、私たちの願いです。

新潟動物ネットワーク・多頭飼育班
鈴木静子
平成16年8月1日掲載

バックナンバー 1)里親探しています。
2)なぜ、のら猫になるの?(その1)
3)なぜ、のら猫になるの?(その2)
4)なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5)「馬」のこと
6)犬班の譲渡活動について
7)学校啓発班の活動

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新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・

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