http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
  
 新潟動物ネットワーク  
No.102

東北地方太平洋沖地震 被災地応援ボード 
~ペットを飼っている被災者のみなさまへ~
http://ndn2001.com/ndn/animal-support/index.html


NDNフェスティバル「震災を考える」を終えて

NDNフェスティバルが無事終了しました。

今年のメイン企画は、カメラマン 太田康介さんによる
『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』写真展でした。
東日本大震災と原発事故がなければ、
決して起こりえなかった現実を切り取った写真たちです。

太田さんは、震災直後から、福島第一原発の警戒区域内に
残された動物たちへの給餌、レスキュー活動をされています。
私は、2011年の5月ごろ太田さんのブログを知りました。
取り残された動物たちがいることは知っていましたが、
生々しい写真と現状を伝える文章に、ショックで数日間何も考えられませんでした。
野生化してゆく元飼い犬たちや、数滴の水もなくなり餓死する家畜たち。
先進国であるはずの日本でこのような残酷なことが起こっている現実が信じられず、
正直「見なければ良かった」と思ってしまったのも事実です。
それでも、自分にできることは何か考え、
とりあえず太田さんのブログをプリントアウトし、職場で回覧しました。
数々の現実を見てきているであろうカメラマンの太田さんが
「地獄」と呼ぶその光景は、あまりにも痛ましく直視できないものです。

ブログや書籍で見るよりも、イベントで展示する1枚のパネルになると
訴えてくるものの大きさに圧倒されました。
無人の町に横たわる、骨と皮だけの死体。
死を待つしかない牛の瞳。
ライトに照らされた、夥しい豚の死体。
来場者の方やスタッフも言葉をなくし、
涙を流して帰られる方が本当に多かったです。

その後、20キロ圏内犬・猫救出プロジェクト
大網直子さんと中島徹さんの解説による、ビデオ上映が行われました。
誰もいない民家の周りに、数匹で群れをなす犬たち。
自分の住む新潟市と同じような風景ですが、そこに映っていたのは
明らかに異質な世界でした。
大怪我をしながらも大網さんたちによってレスキューされた1匹の犬や、
ある老犬の死、そして何ヶ月も耐え抜いた猫と飼い主さんとの再会など、
淡々と福島のリアルを映す画面に、
会場からは啜り泣きの音が絶えませんでした。

県外の友人に言われたことがあります。
「新潟県は、動物愛護が進んでいて本当に羨ましい」
その一端が見えるような、新潟県職員 川上直也さんの講演。
二度の震災を経験し、そこから得た教訓を生かす新潟県は
被災者にも被災動物にも本当に優しい県なのだと再認識しました。

会場では、そんな新潟県で同伴避難をされていた飼い主さんの
写真展も同時開催しました。
また、『三日間の避難生活で動物に必要な物』の展示など、
来場者さんへの意識喚起も行い、大変有意義なイベントになったと思います。

ビデオ上映の最後に、太田さんが作られた
大網さんの活動のスライドショーを見せていただきました。
本当に温かく、同志への敬愛に満ちた素晴らしいものでした。
太田さんや大網さんたちは、決して「動物を救う為に選ばれた人間」ではありません。
私たちと同じように、普通に生活をしている方たちです。
そういった方たちが立ち上がらなければ、福島の動物たちは
一匹も救われませんでした。

被災地では、まだまだ何も終わってはいません。
どうか、ほんの少しの興味から持っていただき、
一人でも多くの方に現実を知って欲しいと思います。

最後になりましたが
ご来場頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
新潟動物ネットワーク イベント班
長谷川淳子
平成24年7月1日掲載

新潟動物ネットワーク  バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    ~猫の一時保護を通して~
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク 30 リニューアルしました
31 今年は写真展とトークショー 32 優しい出会い
33 小さな命の移動販売 34 クーちゃんと暮らして
35 山に捨てられた猫 36 こどもたちに「命の大切さ」を伝える活動
37 ある犬の繁殖場 38 ある繁殖業者の廃業
39 愛犬からのメッセージ 40 聴導ねこ誕生!?
41 新潟動物ネットワークに参加して 42 気になっている事
43 中越沖地震 44 NDNフェスティバル「身近な動物問題に目を向けて」
45 NDNフェスティバル
 「身近な動物問題に目を向けて」を終えて
46 猫の譲渡会をします
 47  動物との係わり合いとアクシデント 48  NDN カレンダー
 49 雑感・携帯当番 50 犬の一時保護活動を通じて
51 ホームページのリニューアル 52 大平森林公園での犬の譲渡会を終えて
53  犬と猫の譲渡会 54 子猫を拾ってしまった
55  今年のフェスティバルは盛り沢山 56 進化していくNDNフェスティバル
57  譲渡会を終えて思う事(犬班) 58 「わんにゃんカーニバルIN朱鷺メッセ」を視察して
59 子猫を拾って  60 カレンダー送付係を担当して
61 猫の譲渡会での出会い 62 高齢猫「ぽっつ」
63 新潟動物ネットワーク(NDN)のスタッフとして 64 犬好きおばさんの話
65 気になる季節になりました 66 ゴールデンルール
67 新潟市で猫の不妊手術の助成金制度 68 今年もNDNフェスティバル2009開催!!
69 犬たちの暑い夏 70 「猫にピアス」
71 えほんのよみきかせ 72 犬の譲渡にまつわる思い
73 新年の始まりの交流 74 ホメオパシー勉強会
75 トラちゃんとミケちゃん 76 黄色いエンヤコラ
77 にょろ松イリュージョン 78 切なる夢
79 NDNフェスティバル2010 80 NDNフェスティバル2010
81 小さな命 82 赤い首輪
83 見果てぬ猫の楽園 84 継続は力なり
85 ペットショップに行く前に
        …ぜひ犬猫譲渡会へ!
86 雪の日に保健所を訪ねて
87 全ての尊い命 88 大震災に思うこと
89 恒例!
  NDNフェスティバル 2011のお知らせ
90 猫算(ねこざん)恐るべし!!
91 インターネットと現実
~ボランティアに保護されている犬猫は福島県だけで1300匹以上いる~
92 『同伴避難』~
~家族だからずっと一緒~~児玉小枝著~~出版に寄せて
93 「たくさんの想い」 94 新潟県動物保護管理センターにおける保護動物の譲渡活動について
95 NDNの活動を振り返って 96 新潟県のみなさまのお蔭で。
97 子供達と考えるペットの命〜 学校訪問活動 98 今年も猫の季節が近づいてきました
99 NDNのボランティアとして参加してみて 100 6月24日開催
 ★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(1)
 〜新潟県初
  「太田康介氏・のこされた動物たち写真展」開催〜
101 6月24日開催
★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(2)
〜新潟県は「ペット同伴避難訓練発祥の地」です〜
102 NDNフェスティバル「震災を考える」を終えて

新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
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