新潟動物ネットワーク No.113 |
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祝!!新潟市動物愛護センターオープン |
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新潟市中央区清五郎の「いくとぴあ食花」内に5月25日に同市動物愛護センターが本格オープンした。この動物愛護センターは動物ふれあいファームと併設でファームではアルパカやカピバラなどの動物とふれあえる。敷地面積は約7,000平方メートル、コンセプトは動物とのふれあいによりやさしさ、やすらぎを与えられる施設。動物への理解を深め人と動物の関わりを学べる施設ということだ。 私が昔の同市の動物愛護センターを訪れたのは今から7年前、当時は抑留所と呼ばれ清掃センターの片隅にあった。老朽化したプレハブの建物で冬は暖房は無く温度管理、衛生面でも問題があった。保護された動物の中には不十分な衛生管理から命を落とす子もいた。 動物だけではなくそこに従事する職員さんにも大変な苦労があった。政令指定都市新潟のセンターがこんな状態でいいわけがない。早くからセンター建設の検討がはじまっていた。 平成3年、動物保護管理センターの設置についての請願が議会で採択され今日に至るまでに22年が経っている。何故22年もの年月を要したのか、当初は鳥屋野潟南部整備の植物園構想の中で位置付けされていたのがその植物園構想が見直しになり白紙になってしまったのだ。その後、平成17年小動物愛護センター基本構想検討委員会が設立され平成24年10月に完成、先月オープンとなったわけである。この「いくとぴあ食花」は食育・花育センター、子ども創造センター、動物ふれあいセンターの三施設が指定管理業者により一括管理されている。もし動物愛護センターを単独で建設したのであればこれほどの年数は要しなかったのではないか。他の施設と足並みを揃えなければならずそのため今日までかかったのだと思う。 これは収容される動物の観点から見るととても残念なことである。もっと早くにこの施設が完成していればもっと沢山の命を救えたはずだ。残念なのはそれだけではない、 敷地面積をみると約7,000平方メートルで県の愛護センターは7,346平方メートルでほぼ同じなのだが新潟市の場合ふれあいファームの占める面積が大きいので愛護センターの部分は県と比べるとかなり狭くなっている。衛生面ではとても配慮されているが保護収容スペースは昔と同じ、基本計画では災害が発生した場合動物の一時避難場所にとあるが何処にそんなスペースがあるのかはなはだ疑問である。それと多目的ホールだが基本計画では最大100人収容とあるがこれも40~50人が限界である。円錐形のホールの中に入ってみればホールの一部が椅子、テーブルの収納庫になっていて円形で使えないのである。多目的ホールに関していえば近代的な建築物であるがゆえ使いがっての悪い代物になってしまった。 保護動物は健康状態、性格をみてふれあいファームへ移される、そしてそこで新しい飼い主があらわれるのを待つのである。犬や猫を飼おうと考えている方はペットショップに行く前に是非訪れてほしい。特に処分率の高かった子猫の専用ルームもあり譲渡率向上が期待される。 センターの隣にはドッグラン、飲食店が民間運営で建設される予定だ。 休日に家族連れが動物園感覚で来られてはまるでレジャーランドだ。 このセンターのある鳥屋野潟周辺は多種多様な動植物が生息する貴重な自然環境だ。野鳥も多く生息する。アルパカや羊とふれあうのもよいが是非この素晴らしい自然環境にもふれてほしい。動物を見るなら自然の中が一番、そのほうが将来を担う子ども達の健全育成につながるのではないか。 |
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新潟動物ネットワーク(総務) 山川 のり子 |
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平成25年6月1日掲載 | ||
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