新潟動物ネットワーク No.88 |
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大震災に思うこと |
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3月11日に大震災を経験し、その後の原子力災害を含めて、これまでの経験や常識からは、はるかにかけ離れたところで、さまざまなことが起きています。そんな中、新潟では、気がつけば、何となく日常生活を取り戻している自分と、今も助けを求めている多くの飼い主さんと動物たちの支援に身を置き、非日常の中にいる自分があります。不思議な感覚です。 NDNは地震発生5日目の3月16日からHPを立ち上げて、正しい情報発信を心がけてきました。現地の混乱ぶりを示すように、情報を発信すべきところからの速やかな情報提供が遅れ、それが、後々の多くの問題を招いてしまったことは残念です。中越地震の時にも痛感したのは、現地にいる個人には、必要な情報が届きにくい、ということです。この問題は今も続いています。 情報の一元化、共有化の大切さも、今回の活動で得たことです。新潟県は動物救済本部が早くに立ち上がり、NDNは救済本部のお手伝いをさせていただくという立場で、支援物資の配布や避難所訪問を行い、飼い主さんと動物たちのサポートを行っています。保健所や動物保護管理センターの職員さん、獣医師会の先生方、愛護推進員のみなさんと、こんなに身近に接して、同じ目的を持って時間を共有したのは初めてのことです。様々な立場の人が、同じ情報を共有して、それぞれの役割を果たすことで、大きな力になることを知りました。 そして、NDNの活動の大きな支えになっているのが、スタッフ一人ひとりの熱意と善意と愛護の気持ちです。飼い主さんの立場に身を置いた、細やかな気配りと優しさには、私自身、深く感動することしばしばです。それに加えて、全国から本当にたくさんのご支援をいただいています。自分にできることを何か形に変えて伝えたい、そんな気持ちに溢れた支援物資を日々、受け取っています。それを、お届けするという大切な役割もNDNは担っています。 先の見えない、長い、長い活動になると思いますが、その時々に必要なことが何か、できることは何かを考えながら、それを少しでも行動に変えて行きたいと思っています。「ペットは家族の一員」と呼ばれるのにふさわしい社会の仕組みを作っていくのは、他の誰でもない、私たち個々人の行動からだと信じています。 |
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新潟動物ネットワーク代表 岡田朋子 |
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平成23年5月1日掲載 | ||
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