http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001

   新潟動物ネットワーク  No.29

捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク

我が家の家主はおじいちゃん。私たち一家は2階に同居させてもらっています。頼みに頼み込んで、長年の夢だった犬を飼うことができました。

昨年の初夏の夕暮れ、6ヶ月になる犬のジャックの散歩に近くの公園へ出かけ、子供たちと「松ぼっくり拾い競争」をしていました。雨も降りそうだし、そろそろ家へ帰ろうか…。その時、パパが草むらにひっそりと置かれているダンボールを見つけました。中にはちょろちょろうごめくものが…。「子猫だぁ〜」子供たちが駆け寄りました。誰かが置いていったのでしょう、ダンボールの中には腐りかけたミルクと干からびたキャットフードがありました。我が家は猫を飼った経験がありません。やっと家族になったジャックもいる。せめて新しいフードと雨除けを作ってあげよう。私と主人は子供たちを残して家へ戻りました。ノミ・ダニが心配だから、抱っこはダメだよと言い残して。

戻ってみると、親の助言を無視し、子供たちはしっかりと子猫を抱っこしていました。「かわいそうだから連れて帰る〜」という子供たちに、私は一言「家にはジャックがいるから、かわいそうだけれど連れて帰れないよ」。間髪入れずに出てきた子供たちの言葉。「ママはお友だちが困っていたら助けてあげようねって言ってるのに、動物が困っていたら助けてあげないの〜(`ε´)!?」

私が小学生の頃、ラジオ体操の帰りに小さい黒猫を拾いました。我が家には私がねだって飼ってもらった犬がいました。「この子も飼ってもいい?」母の答えは「NO」。お腹いっぱいおかかごはんを食べさせた母は、私が知らないうちに子猫を元の場所に返してきたのでした。子供ながらに大泣きをしたのを覚えています。しばらく経って、その猫が衰弱して死んでいるのを見つけました・・・。

結局、公園からこの子猫を連れて帰りました。おじいちゃんは「かわいそうだけれど、元の場所へ戻してきなさい!」と。子供たちと私は頭を下げ、2週間以内に必ず里親を探すという条件で保護することとなりました。それからチラシを作り、車や、子供の通う小学校、近くの幼稚園、目に付く場所へ張っての里親探しが始まりました。実際に子猫を連れて里親探しもしました。そこで、初めて新潟動物ネットワーク(NDN)という団体を知ったのです。

2週間の終わりが近づいても、なかなか里親さんは見つかりません。前年、病気の後遺症で車椅子生活になった私の母が入っている施設にも里親探しに通いました。元々、動物好きで若い頃に猫を飼っていた母。その日の出来事も覚えていないのに、子猫を連れて行くとこぼれるような笑顔を見せるのです。

とうとう約束の期限の日になり、子猫と別れなければならないと意気消沈している夕食時、おじいちゃんが一言「おばあちゃんが喜ぶから猫を飼うことにするか。」「やったー!やったー!!やったー!!!」その時の子供たちと私の喜びようったら、飛び上がらんばかりでした。実際、空を飛んで跳ねていたと思います(^◇^;)。

子猫の名前を「しゅんすけ」と名付けました。先住犬のジャックが子猫の面倒をよく看てくれました。うんちを促すようにお尻をなめてやったり、まるで母猫のよう。オスなんですけれどねб(^◇^;)。1年経った今では、2匹は大きさもほぼ同じ。追いかけっこや、じゃれあってケンカ(ジャックの甘噛みVSしゅんすけの猫パンチ)、ジャックが疲れて眠っているとしゅんすけが毛づくろいをしてくれたりと、犬・猫で仲の良い兄弟しています。ほのぼの〜(*^−^*)。

今、私たち一家は多頭飼育改善班のスタッフとして、無責任な飼い主が数多く(以前は100匹以上、現在譲渡して30匹)の動物たちを劣悪な環境に置いている多頭飼育現場で、散歩、掃除、餌やりのボランティアをしています。たくさんの動物たち、またNDNのスタッフと出逢うことができ、感謝の日々です。動物達から得ることはとても大きいです。

「誰でもいいから人を殺してみたかった」とか、自らの命を簡単に絶ってしまう人の多いこの時代。動物の命の大切さを通じ、人の命の大切さ、自分自身の命の大切さを、関わった人たちに伝えていきたい。私の今後の課題です。

多頭飼育改善班では、お手伝いしてくださる方を大募集しています。NDNの活動には様々なものがあります。何がきっかけになるかわかりません。「自分にできること」の第一歩、踏み出してみませんか?

新潟動物ネットワーク/多頭飼育改善班
森井 里花
平成18年6月1日掲載


バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    〜猫の一時保護を通して〜
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク


新潟動物ネットワーク 090-2844-4881  メールndn-land2@picot.ne.jp
http://ndn-land2.picot.ne.jp/NDN_HP.html

新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・

※里親になってくださる方はこちらから※
http://www.ific.ne.jp/ndn.land/floor/rule.html


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