新潟動物ネットワーク No.38 |
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ある繁殖業者の廃業 |
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新潟市のあるブリーダーが破産し、70匹の小型繁殖犬の内、比較的若い犬は本人が貰い手を見つけましたが、ペキニーズ18匹、シーズー10匹、チワワ5匹、ヨークシャテリア1匹、コッカースパニエル1匹の合計35匹の高齢犬が残されました。 新潟市保健所では、全頭に新しい飼い主募集をするとの方針が出され、NDNへも協力要請がありました。獣医師会の協力で健康診断が行なわれましたが、ほとんどの犬に削痩・歯石・口内炎・歯肉炎・乳腺腫瘍・角膜白濁などの高齢犬特有の症状がありました。糞尿まみれの生活による悪臭と汚れを保健所の職員さんとNDNのスタッフで何日かに分けてシャンプーすると、見違えるように可愛さが増しました。収容犬のホームページへのリストアップ、掲示板による飼い主募集の呼びかけ、毛布や小型犬用の服の寄付の呼びかけなどを行ないました。NDN登録の小型犬希望者さんや会員・スタッフからも新しい飼い主になって下さった方が数名いらっしゃいます。2月11日発行の市報に譲渡会の日程が載り、15日の新潟日報に記事が大きく報じられてから、連日40〜50人が、下木戸にある犬猫抑留所を訪れ、毎日5匹くらいずつもらわれて行き、18日の譲渡会には13匹が残るだけとなりました。 当日はNDNから十数名がお手伝いにかけつけましたが、寒さの中で里親希望者さんが列をなして並んでいる光景に圧倒されました。400名近くの方々が途切れることなく訪れ、全頭が新しい飼い主さんに抱かれて行きました。10歳で両眼の視力がなく、乳腺腫瘍など数々の高齢症状をもつコッカースパニエルを泣きながら抱きかかえて帰るご家族の後ろ姿が、今も目に焼きついています。感動という言葉以上の余韻を残し、譲渡会は幕を閉じました。 今回の出来事が、ペットショップやホームセンターのペット売り場で「わー!かわいい!」と声をあげる前に、「この子たちはどんな所で生れ育ったんだろう?」「母犬はどうしているんだろうか?」という疑問を持ち、命を商品にする事の残酷さを多くの人に問題意識として考えるきっかけとなってくれる事を願わずにはいられません。 また、伴侶動物を「買う」という手段から、殺処分を待つ命を「救う」という行為への意識の転換が、市県民に浸透していくことも願っています。 このブリーダー犬の問題は、県内はもとより全国に内憂しています。動物愛護法が改正され、1年の猶予期間を経て今年6月から、 基準遵守義務 1.十分で適切な餌と水があること 2.快適で清潔な居場所があること 3.病気やけがの時は手当てすること 4.恐怖や激しい苦痛を与えないこと 5.本来の行動ができる広さがあること を満たしてない動物取扱業者には、営業停止や営業登録の拒否ができるようになります。行政として、動物取扱業者に対して研修会を開催してレベルの向上を計る事や、動物愛護推進委員などを活用して恒常的な指導監視をする事が必要になってくると思います。行政の法律による指導強化と、営業停止処分を含めた適切な対応に、私たちは期待したいと思います。 |
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新潟動物ネットワーク/犬班 阿部慶子 平成19年3月1日掲載 |
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新潟動物ネットワーク 090-2844-4881 メールndn-land2@picot.ne.jp http://ndn-land2.picot.ne.jp/NDN_HP.html 新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。 もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・ ※里親になってくださる方はこちらから※ http://www17.plala.or.jp/ndn/ |
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