「暮らしの中のどうぶつたちを考える
+オーガニックマーケット おひさま日曜市 出張マルシェ」
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開催のご報告 |
4月1日(日)に動物福祉(アニマルウェルフェア)をテーマに、講師として認定NPO法人アニマルライツセンター代表 岡田千尋さん、座談会ゲストとして五頭山麓ひよころ鶏園社長 川内寛之さんをお招きしての勉強会を開催、併催のオーガニックマーケットおひさま日曜市 出張マルシェでは環境や人に優しい野菜やお惣菜なども販売され、好評のうちに終了しました。 |
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岡田千尋さんの講演会では、本来の動物の本能や習性を奪われた環境で、苦痛や痛みやストレスの中で一生を終える様々な動物が紹介されました。
残念ながら現代の日本の畜産業界では、工場式の飼育方法が一般的で、それに伴い様々な問題が起こっています。
妊娠ストール(体がぎりぎり入る大きさの檻)に拘束された豚、バタリーケージ(B5サイズ四方程度の広さの満員電車が何段も積み重なったようなケージ)に詰め込まれた卵を産むための鶏、つながれたままご飯を食べるのも排泄も眠るのも同じ場所で過ごす乳牛。
畜産動物のお母さん達は狭い空間の中で運動するどころか、自由に身体を伸ばしたり、子供や卵を産んでも育てることもできず、豚は尻尾を、鶏はくちばしを切られ、足腰が弱り怪我をしても治療されないまま、喜びや楽しみを味わうことなく生涯を過ごします。
EUではすでにこのバタリーケージと妊娠ストールは禁止され、その他海外諸国でも規制や禁止が進み企業も積極的に取組んでいますが、日本では規制されておらず、ほとんどの母豚や採卵鶏がこの方法で飼育されています。 |
昔から日本では鶏や豚や牛はケージに入れられたり繋がれているのが当然のように考えられていますが、それは彼らの本来の姿は全く違うものでした。豚はとても活発で好奇心旺盛な動物で、よく遊び、群れで過ごし、泥遊びをしたりお母さん豚は子供達に子守唄を唄い、鶏は自由に羽ばたいて砂浴びをしたり、人とのコミュニケーションが取れるため人と暮らすのに適している動物だそうです。 |
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また、アニマルウェルフェアというのは食の安全=人間の安全性に関わるからこそ世界的に広がってきているというお話でした。
本来であれば太陽を浴び、運動をし、自然からミネラルを摂ることによって免疫を上げ健康を保てる動物たちを真逆の環境に置き、太陽を浴びず外の空気に触れず、殺虫剤をかけられ、抗生物質を飲み続けながら孤独な環境で何とか生きながらえている動物たちを食べていることは、私たち人間にとっても安全であるとは言えないのではないかということでした。
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衣類としての問題では、生きたまま動物の毛皮をはぐという殺し方の問題や、加工の段階で使われる薬剤が人間の健康や環境に悪影響を与えているということ、ウールの現場では人手不足により乱暴に毛皮を刈り取られ血を流し傷ついている羊やうじ虫の寄生を防ぐため子羊の臀部の皮膚と肉を切り取るミュールジングの問題が紹介されました。
動物園のお話では、群れて暮らし自然の中でのびのびと過ごすべき動物たちがコンクリートで囲まれた狭い環境で孤独に過ごさなければいけないこと、その環境では本来の動物の行動を知ることができないということを指摘されていました。 |
現在の動物園が人間は動物(弱者)を支配してもいいというメッセージを発信してしまっているのではないか、自然との共生がどういったものかを忘れさせてしまうのではないかとお話されていました。
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座談会ではひよころ鶏園 川内寛之さんも加わって和やかな場となりました。
自然に近い環境で鶏や動物と暮らしながら平飼いで鶏園を運営されている川内さんの敷地には鶏が自由に飛んだり草をつつきながら暮らしています。
抗生物質や添加物を使用せず、20種類ほどの自然飼料を混ぜて食べているそうです。
川内さん自身が食物アレルギーを抱えているため、自分や子供たちが安心して食べられるものをつくりたい、そして鶏たちが自然な姿で健康に過ごせることによって消費者にも喜んでもらいたいという想いでいらっしゃいました。
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