新潟動物ネットワーク  
No.165


動物たちの現状と向かい合って考えたこと


 9月3日に、下越動物保護管理センターでNDNスタッフの施設見学、イクネスしばたでセンター長の町田さんをお招きしての講演会を行いました。



 初めて入るセンターは綺麗で、設備も整っていて、今までの自分の中の冷たいイメージとは全く違いました。また玄関先にはたくさんの幸せになった動物たちの写真や、里親さんからのお礼状などが掲示されていました。
 見学した際、犬は3頭、猫は20匹ほどおり、多くがまだ小さい子猫でした。みんな人懐っこくお利口で、センターの方々に愛情をかけられてお世話してもらっているのが伝わってきます。しかし、温もりを求めて、切ない声で鳴きながらケージから小さな手を出してくる姿を見ると、早く家族に囲まれて、温かくて広いお家の中でのんびり過ごさせてあげたいなという気持ちになります。






 午後からの講演会では、センターの役割や動物のための法律、新潟県の動物愛護管理推進計画の方針など、基本的な情報からわかりやすく説明していただきました。

 センターの業務内容は、動物に関する法律に基づいて狂犬病等の予防に努めたり、人と動物との正しい付き合い方を学ぶことのできる場を提供したりすることだそうです。行き場を失った動物たちの保護や手当をして、新しい飼い主を捜す役割もセンターが担っています。
 動物管理センターや保健所というキーワードを聞くと、「殺処分」という言葉が連想されがちですが、本来は人と動物たちがお互いに快適に過ごすことができるように管理している場所なのだと分かりました。



 講演では、交通事故に遭って大けがをした猫や、何日もさまよいひどく汚れた犬の写真、多頭飼育の現場で見つかった子猫の死体など、ショッキングな写真も見ました。ひとつひとつに町田さんから丁寧な説明があり、センターの方々がどれほど尽力して小さな命を救おうとしていたのか、その子たちのことを考えて処置や保護をしていたのかが分かりました。

 私が印象的だったのはある犬の話です。
保護されたときにはすでに病気があり、手は施しましたが、その子の苦しみや病気の進行度、今後の治療の必要性など、たくさんのことを加味して、やむなく、本当にやむなく処分することとなった子です。どんなに痛い治療でも大人しく受けて、さらに人にもよく慣れているとても良い子だったそうです。
 きっと今までかわいがられて飼われてきたのに、病気があるからと捨てられてしまったのでしょう、こんなに性格の良い子だからこそ、早く元気にして幸せにしてあげたかったという町田さんの言葉が胸に刺さりました。動物の一生を、どんなことがあっても責任をもって見届ける、その覚悟の上に動物たちとの幸せな生活が成り立つのだなと思いました。

 思わず目を背けたくなる現状を知り、不幸な動物たちがいなくなるように、また、人も動物もお互いに気持ちよく生活できる社会を作っていかなければならないと強く感じました。
 一人ではできないことも、センターの方々やNDNスタッフ、自分の身の回りの家族や友達など、みんなで力を合わせればできることは増えると思います。微力ながらも、これからも積極的にさまざまな活動に参加しようと、より一層気持ちの入る機会になりました。

新潟動物ネットワーク/イベント班
今 凪沙
平成29年10月1日掲載

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