| 新潟動物ネットワーク No.263 |
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| 人間と動物について考える |
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| 人間と動物について考える私が新潟動物ネットワークでスタッフを志願したきっかけは、20数年前に海外の映像で牛舎での牛の虐待と、カンガルーの虐待の映像をテレビで見たのが始まりでした。 牛の虐待は、病気で自立できない牛をフォークリフトでまるで荷物のように押したりつついたり、持ち上げては落としたり、カンガルーの時は既に車に轢かれたのか弱って立っているのがやっとの無抵抗なカンガルーを遊び半分でボクシングを楽しむかのように人が殴り倒した映像でした。 何日経っても私はこの映像が頭から離れず、ただ何もせずに自分の日常を送る訳にはいかないし何をしたら良いのか悩み続けました。 学力も権力も財力も勇気もない一個人のひ弱な自分が、海外のどこかも分からない映像を突き止めて現地へ行って文句を言うなんてできっこない。日本でも自然環境を守る団体や、動物の権利を守る団体がいくつかあることを知り、問い合わせましたが、できることは精々会費で支援することくらいです。先ずは自分にできることを探そうと思い、新潟動物ネットワーク(NDN)にたどり着きました。 NDNの活動を調べていくと、身近にも人間のせいで苦しむ動物が沢山いることが解り、猫一匹救えない自分に動物を救うなどとはとても浅はかな考えで「可哀想」だけでは何も救えないではないか!先ずはNDNで動物を守る救うとはどういうことなのか?何から始めればいいのか?を学ばせて戴きたいと思ったのがきっかけでした。 あれから20数年経った今も、あの映像を忘れることはできないまま現在に至り、今ではSNSで情報が安易に入手できるようになりました。SNSを見入っているうちに、動物虐待はあらゆる日常の裏側にも蔓延していて、殴る蹴るだけが虐待では無いことが解りました。 本来あるべき行動とは異なる曲芸を強いられていたり、狭いコンクリートと鉄格子に囲まれ集団生活から隔離されたり、コストをかけずに出荷することだけを目的とし生まされ、短命で屠畜場へ運ばれる家畜達、華やかなショーケースに並ぶワンちゃん猫ちゃんの陰で酷使されては消えてゆく繁殖動物と、疾患や容姿の優劣で市場に出ることのない動物達、人間に利用される動物達は経済動物と位置付けられていることすら知らずにこの世に生み落とされ、政治経済産業の一端を担ってます。 経済動物と呼ばれるからには、必ず利益とコストがついて廻ります、利益を得る為、コストを減らす為に最後は必ず動物達にしわ寄せが来ます。そして私自身もその経済動物の恩恵にあやかって生活してます。牛を虐めてた人だけじゃないんです。動物虐待には経済動物を利用する全ての人々が関わっているのです。 無いものにはできない、恩恵にあやかっているからこそ展示動物を見て楽しむだけ、ごちそうのステーキを食べるだけ、目の前のショーケースしか見ずに生体購入するだけ、で良いのでしょうか? 日本の産業経済流通の仕組みは、代金さえ払えば虐待を見ず考えず手を汚さずに済ませられる。その仕組み社会構造のおかげで、私達は日常を送れる反面、動物達は何も言えずに苦しむだけの生涯を強制され支配され続けます。 NDNでは、カンガルーを殴った人に物申したいなら地道にコツコツ真面目に活動し人々の役に立つこと、それが信頼となり発信する言葉に初めて耳を傾けて戴けるのだと教わりました。動物を思う世の中になって戴くこととは、誰かを責めるのでは無く、人々の関心と多数の民意に賛同を戴かなければ成しえないのです。 動物を利用して当たり前の社会に生まれ育ち、代金さえ払えば目の前に可愛い動物が居て、おいしい料理が食べれます。それはこんにちまでに、歴史があり文化があり作り上げられた私達人間社会の構造ですが、動物達は何も言えないだけなのではないでしょうか? 何も言わなくても表情を見れば痛い、苦しい、悲しい、嬉しいのは解るはずです。 展示動物、生体販売、畜産動物等、私達の身近にいつも存在してくれる動物たちが、どんな生涯を過ごしてきたのか?一人でも多くの方に動物達との共存共生について関心を持って戴けたなら嬉しいです。 御礼 NDNは2001年7月に発足した会です。人と動物が幸せな社会を目指して、ちょうど同じ年に発刊した村上広域情報誌様に「里親募集や動物問題を取り上げてもらえないか」と、相談したことがきっかけで始まったコーナーです。今号の263回で終了となりますが、自由に個人の想いを書ける場として、長きに渡り大変お世話になりました。 村上広域情報誌安沢孝雄編集長をはじめ、関係者の皆様、読者の皆様のご健勝と、全ての動物たちの幸せを願います。ありがとうございました。 NDN 代表 岡田朋子 |
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| 2025年12月1日 新潟動物ネットワーク アニマルウェルフェア班 浅見 清和 |
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