新潟動物ネットワーク  No.252



ちゃちゃまる3歳、地獄の仮譲渡から最高の相棒へ


2019年5月、たまたま立ち寄ったNDNの譲渡会が、私とちゃちゃまるとの出会いでした。
今でこそ、NDNのスタッフとして活動させてもらっていますが、当時の私は新潟動物ネットワークのことも、新潟の保護猫事情もあまりよくわからず。
「いずれ猫を飼いたいな、飼うならペットショップじゃなく保護猫がいいな、譲渡会の雰囲気だけでも知っておこう」くらいの気持ちで足を運んだら、運命の出会いが待ち受けているとは。
その日はたくさんの子猫たちが参加しており、次々と仮譲渡を決めていました。

子猫の貰い手はすぐ見つかるけれど、成猫たちはそうでもないのかも・・・。
「だったら私は、成猫を迎えたいな」と考え始めました。
そんな時、ずんぐりとした茶白の成猫がまんまるの瞳で不安そうにしている様子に目を奪われました。

 

プロフィールを見ると、2016年に保護された3歳のオス猫。
新潟市内の多頭飼育崩壊の現場から、生後半年のタイミングで救出された子でした。
尿路結石の既往歴があって、ちょっとお値段高めの療法食でお世話する必要があるとのこと。
そういえば、実家の猫そうすけも、尿路結石になりかけて大変だった時期がありました。
なんだか親近感を感じた私は、約2年もの間、譲渡会に出て、毎回まんまるの瞳で不安な時間を過ごしてきたであろう茶白の彼に、心を奪われていました。
保護者の黒井さんからは、「気難しい性格だけど」と言われましたが、おもちゃで遊んだり甘えている様子の動画を見せていただき、人には慣れている様子。
さらにそこを通りかかったNDN捧さんの「日中、仕事で家を空けてるなら成猫がいいよ!」というクロージングトークによって、私はこの成猫の仮譲渡を申し込みしました。
ただ雰囲気を知りたくて足を運んだだけの譲渡会だったのに…。
数日後、我が家で仮譲渡が始まりました。
その日から、私とちゃちゃまるは、地獄の日々を過ごすことになります。

 

新しい環境でちゃちゃまるは不安でいっぱい。
お顔は常にイカ耳です。
ごはんをあげても威嚇、トイレを掃除しようとケージを開けても威嚇。
撫でようとするとシャーからのフー、最終的には空気砲をボンッ!
ちゅーる越しのスキンシップしかできない日々が続きました。

こんな状況が2週間経っても3週間経っても続き、一向に慣れてくれません。
仮譲渡中、「正式譲渡は諦めよう」と何度思ったことか。
帰宅すれば威嚇が待っていると思うと、家に帰るのが億劫になるほどでした。
我が家でちゃちゃまるは幸せになれるのだろうか、とさんざん悩みましたが、少しずつケージの外にいる時間が増え、威嚇の頻度も減っている実感はありました。
私も一生懸命スキンシップをとることは辞め、とにかく同じ空間に「いるだけ」の状態を心がけ、無関心を装うことにしました。
仮譲渡開始から約1ヶ月後。

 

ちゃちゃまるが初めて、床に寝転がってお腹を見せてくれました。
私との距離は1mほどありましたが、あの瞬間は本当に嬉しかったです。
今はなでたり抱っこすることは出来ないけれど、きっとこれから仲良くなれるはず。
正式に家族として迎えることに決めました。
月日は経ち、これを書いている2024年12月。
パソコンで文字を打つ私のそばには、すっかり甘えんぼになった彼。

今では毎晩一緒に寝るほど、大の仲良しになりました。
「ちゃーくん」「おいで」と呼ぶと嬉しそうに急いでやってきて、布団に入ってきます。
地獄のような仮譲渡期間が嘘のようです。
乗り越えた先には幸せな日々が待っていました。
我が家では昨年から保護猫の預かりボランティアも始めました。
知らない人は苦手なちゃちゃまるですが、猫に対するコミュ力は抜群。

 

赤ちゃん猫にはパパのように優しく、ちょっと大きめの子猫にはお兄ちゃんのように仲良く、新入りの猫たちが我が家での生活に慣れるよう接してくれます。
そんなちゃちゃまるの意外な一面に驚きつつも、さらに大好きになりました。
私の最高の相棒ちゃちゃまる、これからもずっと一緒にいようね。




新潟動物ネットワーク(NDN)
イベント班・総務  藤原 風香
令和7年1月1日


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