新潟動物ネットワーク No.246 |
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(一社)新潟県動物愛護協会キックオフイベント×NDNフェスティバル2024 人と猫の未来を見つめる〜にゃんがたセンタークリニック開設に向けて〜 開催のご報告 |
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5月19日(日)新潟市民プラザにて「(一社)新潟県動物愛護協会キックオフイベント×NDNフェスティバル2024 人と猫の未来を見つめる〜にゃんがたセンタークリニック開設に向けて〜」を開催いたしました。おかげさまで満席となり、多くの方々にご来場いただきました。ありがとうございました。 最初に、新潟県動物愛護協会会長の星野伊佐夫様から開会のご挨拶があり、新潟県知事の花角英世様、新潟市長の中原八一様、新潟県獣医師会長の佐藤博様から祝辞をいただきました。 |
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次に、女優で公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長の杉本彩さんによる基調講演が行われました。講演では、動物虐待事件や繁殖業者による多頭飼育崩壊、そして法改正の必要性について話されました。虐待の事件は何度も見たくないけれど、Evaで署名を集め、何度も周知し、戦っていること。公になるのは氷山の一角で、これらを防ぐには、幼齢動物の販売禁止や、動物取扱業への規制。早急に保護が必要な場合に、飼い主の所有権に関わらず保護が可能になること。動物法違反者に対し、将来の飼育禁止。移動販売・野生動物を使ったカフェの禁止など法改正が必要であること。そして1番大事なのは、消費者の意識が変わること。と訴えていました。 |
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続いて、にゃんがたセンタークリニック開設に向けて、新潟市動物愛護センター長の登坂友一さんがお話しされました。新潟市では、猫の殺処分を平成18年の1048頭から令和5年には36頭まで減らすことができました。残る殺処分も昔の単なる猫の減少を目的とした殺処分から、今は事故などによる苦痛を減らすための安楽死へとシフトしているそうです。しかし、苦情相談数は減っておらず、ご近所の多頭飼育による悪臭や、不妊去勢手術をしないことで野良猫が増えるなどの問題が続いています。適切な飼育環境が整っていないことが原因なのに、猫が悪者にされるケースが多いようです。これらの問題は、不妊去勢手術の徹底によって解決できると説明されました。 |
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最後にシンポジウムが行われました。NDN代表の岡田朋子さんがコーディネーターを務め、フリーアナウンサーの伊勢みずほさん、新潟県動物愛護協会副会長の永松亮一さん、そとねこ病院HOMEの獣医師黒澤理沙さん、杉本彩さんが登壇し、多頭飼育崩壊について、それぞれの立場から意見が交わされました。多頭飼育崩壊は、全国的な社会問題ですが、孤独や孤立した方が猫に対する執着から引き起こすものと、事業者が引き起こすものがあります。家族やご近所の方が気づいて行政に相談しても、多額な引取り料がかかり、どうすることもできないことも多くあります。また、猫をどうにかできても、人間の心の問題が残り、結局元に戻ってしまうということもあり、行政との連携が必須であると話されていました。 にゃんがたセンタークリニックは、中越地震や東日本大震災の際にはじめて行政、獣医師会、動物愛護推進員、動物愛護団体がそれぞれ得意分野を分担したことで様々な対応ができたことが大元になっているそうです。 今までは、多頭飼育崩壊があってもなかなか多くの頭数を一度に手術できる環境がなく、迅速に対処することが難しい状況でした。しかし、クラウドファンディングで多くの方々に支援をいただけたことで、にゃんがたセンタークリニックを設立することができました。今までの経験を活かし、行政と協力病院、NDN、そして地域の方々が協力して、みんなで問題解決に取り組むことができれば、よりスピーディに地域の問題が解決に向かうのではないのでしょうか。 今回のシンポジウムに参加し、小さな力が大きな力になることを実感しました。ペットショップではなく、保護猫を家族に迎えたり、周りに多頭飼育をしている人がいたら気にかけたり、署名活動に協力したり…皆が少しずつ関心を持つことでも、不幸な動物たちを生み出さないための一歩となるのではないかと思います。より良い社会を目指して、今後ともご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。 |
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新潟動物ネットワーク/イベント班 監物 薫 令和6年7月1日 |
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