新潟動物ネットワーク  No.244



うさぎとワタシと癒やしの力


ワタシがウーちゃんと出会ったのは、いつもと何の変わりもない、ある春の日でした。

その時わたしは、ある病気にかかっておりまして、体調のグラフは底辺を這っている時期でした。
目や口は半開きで、ボーっと横たわっていたと思います。
そんな時に、昔なじみの友人からの連絡が。

「誰かうさぎ飼いたいっていう人いないかな?」

と、文章と共に送られてきた画像には、小麦色したうさぎの子どもが2,3羽寄り添っている姿。
これは、本当にこの世に存在する動物なのか!? と目をこすって思わず画面に穴が開くほどじぃっと見入ってしまったわたし。
『うさぎ』なんて、童話の中や、どこか別の世界の動物かと思っていたほど接点が全くありませんでした。

可愛い……

実際に見てみたい気持ちが芽生えました。
このときから運命の糸はつながっていたのでしょう。

これだけでも、当時のわたしは、目的が出来て起き上がる気力が湧き上がったのを覚えています。

ところが、ふと頭をよぎる苦い思い出が……

最初で最後の、自分が育てたペットのことです。
記憶は25年も遡ります。
羽もろくに生えていない雛から手塩にかけて大事に育てた、小桜インコ。
あるとても寒い日の夜、一緒に布団に入れて寝たその翌朝、目を覚ましたわたしは、自分が呑気に寝ている間に既に天国に行ってしまったインコの姿を目にします。
何とも表現出来ないそのショックに1人で泣いた苦い思い出が蘇り、
それ以来動物を飼うのはとても考えられず、今日まで来たことを思い出します。

……行ってみるだけ、見てみるだけ。
昔の苦い思いとの葛藤の末、気が付けば重い身体を起こして、支度をして家を出ました。

そしてなんと、帰りの車の中には、両手で収まるくらいの、小さくてふわふわの子がケージの中でぷるぷるとうずくまっていました。


 
初めての外の世界、車がコワい


お母さんうさぎと急に離ればなれになり、いきなり知らない世界につれ出されたちいさな子。
わたしは自然とこの仔うさぎを、「ウーちゃん」と呼んでいました。

しかし、家に連れて帰ってからはしばらくご飯も水もろくに口にしなかったウーちゃん。
大丈夫かな? ととても心配になりましたが、
次の日にはしっかりとご飯を口にしてくれたのを目にして、喜びがあふれてこぼれ落ちました。
そして、少しずつ少しずつ時間が経つ毎に、元気にあちこち散歩をし、動き、よく食べ、寄り添い、この環境に慣れて来てくれているのがわかりました。


 
のびのび
 
ゴロン


 これがキッカケとなり、今まで動く気力も無く、ただひっくり返っていたわたしは、
びっくりする程早起きをし、ウーちゃんのお世話を始めました。
うさぎの扱い方おろかペットの飼い方すらわからず、勉強嫌いなこのわたしが
ウーちゃんのためならと熱心に情報を探す日々となりました。
それが、わたしが元気になり始めたキッカケだと思っています。

徐々に徐々に気持ちが近くなり、ふかふかの毛、安心しきった様子、可愛い表情や仕草に癒やされ、
わたしにとってはなくてはならない存在となりました。
 
キメッキメ!

 
爪切り前のイヤイヤ


  『アニマルセラピー』
以下、AI(試運転)より

アニマルセラピーは、人と動物のふれあいを通じて癒やしや安心感を得て、心身の健康維持やリハビリに役立てる活動です。

アニマルセラピーには、次のような効果が期待できます。

 
・ストレスの緩和や情緒の安定
 ・血圧の安定
 ・自発的な意欲の向上
 ・離床率の向上
 ・抑うつ症状の改善
 ・コミュニケーションの拡大や社会的な側面を促す効果
 ・活動性や社会性が向上することで、日常生活の自立度や生活の質の改善につながる
 ・食欲不振や睡眠障害など身体的症状の改善につながる可能性
 ・認知症によって自発性が失われてしまった人でも、動物への興味からなでたり、触ったり、抱っこしたりといった自発的な行動ができるようになり、身体的な機能の向上も期待できる
 ・動物と遊んだり、世話をしたりすることで、体を動かすことにより、健康促進も期待できる

動物と触れ合うことで、幸福を感じる脳内の伝達物質「ドーパミン」や「オキシトシン」の分泌が増え、さらに副交感神経が優位になり、落ち着きや癒しを感じリラックスした状態になります。これらの効果から、アニマルセラピーは抑うつ症状の改善にもつながると言われています。
アニマルセラピーに参加する動物の特徴としては、人間に危害を加えない、アレルギーを起こしにくい、毛が抜けにくい、性格が人懐こい・穏やかなどが挙げられます。



わたしが経験したことそのままです。
将来的にこのアニマルセラピーは、人の役に立つことにつなげられるかな?
と頭に浮かんでからはとにかく何か行動してみよう、自分なりに、何かを生んでみようと一つの目標ができました。
そこからは、だんだんと病気も良くなってきました。

今ではウーちゃんはすっかり、わたしのなくてはならないパートナーです。


 
オッスおらウーちゃん! さぁ今日も部屋を冒険すっぞ



そしてウーちゃんに出会ったことでご縁がつながり、わたしは今、NDNの学校啓発班でお手伝いさせていただいております。

将来の小さな命の為に自分が活動の輪に入っている

一本の糸をたどったらここに着いた、その道のりは本当に不思議だと思っています。

今回は、ウーちゃんとの「出会い」と、「もたらしてくれた大きなもの」をお話しましたが、
次の機会があったら、今度はうさぎの魅力をお伝えしたいなと思いますので、
また是非お会いしましょう。良い一日をお過ごし下さい!


新潟動物ネットワーク/学校啓発班
大平 ひろ子
令和6年5月1日


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