新潟動物ネットワーク  No.241


猫は見るもの


  現在我が家は先住猫3匹と保護猫7匹の計10匹の猫と暮らしています。

 

  我が家の保護猫は「見る専用」です。近づいてくるのはご飯、おやつ、おもちゃの時だけで、あとはとにかく逃げる逃げる。きっと私のお世話が足りないのでしょう。「仮住まいで愛想振りまくなんてもったいない」とでも思っているのでしょう。「そんな触れない猫がかわいいの?」と疑問に思う方もおられると思います。でも、いいんです。なぜなら「見る専用」だから。確かになでたり抱っこしたりモフモフしたり・・・できればと思うでしょうが、彼らのリラックスしたしぐさや表情は見放題です。

 





   先住猫のあんこは2019年5月に保護した元保護猫です。同郷の8匹とともに保護したのですが、彼らはみんな「見る専用」でした。譲渡会へ行けば毛布に潜り込んでアピールゼロ。時には来場者の方に向かって空気砲や猫パンチを炸裂させ、「触るな、危険!」と張り紙することも。こんな慣れてない猫がもらわれるのだろうかと不安になりながらも、理解ある里親様たちとの出会いがありました。しかしあんこだけ残りました。まん丸ボディで、目はくりっくり、鼻は低く、お口ミッフィー、脚は短くX脚、しっぽはチョココルネ。見た目はかわいいのに、パンチをかましてきます。

 

   そして何より先住猫より幅を利かせて生活している様子を見てとうとう家猫として迎えることを決め2021年5月に保護名「ママちゃん」から正式名「あんこ」に改名しました。

 

 さらに2年と8カ月後の現在、そんな「見る専用」だったあんこは、触ることもできるようになりました。改名したこと、保護猫とは区別したこと、きっとそんなことを理解してくれたのでしょう。

  

 
 生まれて約半世紀、動物を飼ったこともない主人が言いました。「膝の上に乗ってきたり、布団に入ってきてくっついて寝たりする猫がこんなにかわいいなんて知らなかった」と。でもそんな子はやはりすぐにもらわれるのです。我が家には残らないのです。
 今は「見る専用」の触れない保護猫たちも、これからもらわれる先の本当のおうちではきっと触らせてくれるようになると信じてせっせと譲渡会に参加することとします。

 


新潟動物ネットワーク/猫班
小川 法子
令和6年2月1日


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