新潟動物ネットワーク No.238 |
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放し飼い卵 オークリッチ見学 |
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9/18(月.祝)、村上市にある平飼い放牧養鶏の(株)オークリッチに見学に行ってきました! 代表の富樫さんから説明をしていただきました。 オークリッチは飼育鶏舎数5棟(1棟に600羽入ります)、飼育羽数は平均2,500羽(ボリスブラウン2,000羽、横斑プリマスロック500羽)程の規模で養鶏を行っていらっしゃいます。 地下水と空気と土と光がたっぷり入る飼育環境で、自然の中でのびのび放し飼いの養鶏です。 |
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もともとはケージ飼いでの養鶏を行っていましたが、社会情勢の変化とともに、卵価の低迷と過疎化、卵アレルギーなどの社会問題化、生活環境への配慮の必要性などに対応する為、平成に入り順次、放し飼いによるオリジナル卵の生産に切り替えました。 『鶏の力を最大限引き出す』為に行なっている「放し飼い飼育」、「水と空気と土と光を十分に与える」、「発酵飼料、山野草などの青草を積極的に与える」、「遺伝子組み換えでない穀物飼料を使う」などが結果的にアニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮された養鶏になり、オークリッチだけにしか実現できない「個性」や「価値」を持った卵を生産出来ているそうです。 また、強制換羽(採卵率が落ちた時に一時的に餌を減らす)も、行っていません。 また、地元の資源循環に配慮したり、学校等における食育やフードバンクに協力したりなどの活動により、地域と共生しながら持続可能な農業経営を模索、展開されています。 病気に対して厳しく管理され、衛生管理がしっかりと行われていました。鶏の入れ替え方法は、オールイン・オールアウト式です。これは時期がきたら鶏を全て送り出します。そして鶏舎を洗い、消毒、乾燥させてリセットしてから新たな雛を迎え入れるという方法です。総入れ替えをせず、中途半端に出し入れしてしまうと病気があった場合に蔓延状態が続いてしまうリスクがあるのと、餌の管理もしやすく、鶏にあった環境をつくってあげられるということです。また、鶏糞の臭いが全くなく、養鶏場では臭いは必ずあるものだと思っていたので大変驚きました。 オークリッチを見学して、屋内や屋外の好きな場所で過ごすことができて、砂浴びができたり、産卵箱で安心して産卵ができたり、のびのびと過ごしている鶏を見て、こちらも温かい気持ちになりました。現在、日本における放し飼いでの飼養割合はわずか0.4%だそうです。2、3年ほど前は0.8%ほどありましたが、中、小規模の放牧養鶏場は餌の高騰で辞めたそうです。 |
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産卵箱 |
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日本では安価な卵を消費者が求めた結果、大規模で効率的な大量生産のできるバタリーケージで生産される卵が大半を占めています。ケージに詰め込まれた中で卵を産んでくれる鶏と、放牧され、のびのびと過ごしながら卵を産んでくれる鶏と、どちらが幸せでしょうか? スーパーで卵を手に取る際には、鶏の事を思い出してみたり、放し飼い卵のリクエストをお店にしていただけると幸いです。 今年の5月には直売とカフェレストラン併設の「海辺のテーブルエッグ」をオープン。見学前に皆でお昼ご飯をいただきました! 私はカルボナーラをいただきましたが、こちらの卵を練り込んだ麺はとてもモチモチで、ソースも上に乗った卵黄もとても濃厚でとても美味しかったです! |
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命をいただくからには畜産動物に優しい選択をしていけたらいいですね。 |
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