新潟動物ネットワーク  
No.231


  【大切ないのちを 譲り受けて・・・
        ・・・ 果たせたのかな?飼い主としての責任】



私が 新潟動物ネットワークを知ったのは もう20年くらいも前です。
実家を出たのが遅く しかも身内の持ちアパートに家賃なしで生活という 甘ちゃん条件でした。
最初は 一人暮らしが楽しくて過ごしましたが 仕事から帰り静かな部屋にポツンとひとりは寂しいなぁと感じるようになり、動物と一緒に暮らそう!と思いつき いろいろ調べたり探したりしました。
【里親探し】とか【譲渡会】、はたまた【ボランティア】とか【多頭飼育】など 聞きなじみのない文言が目に留まり、吸い込まれるように NDNの活動・活躍を見て 即決しました。
よし!猫を家族に迎えよう!
里親を探している子を うちの子にしよう!
多頭飼育の中から 救ってあげたい!
そんな気持ちから 里親希望の申し込みをして 担当者から連絡をもらい 多頭飼育現場へ見に行くことに。
綺麗なところではないので 長靴をはいて汚れても構わない服装で来てくださいと言われ 猫好きの友達に付き添ってもらって現地に向かいました。
猫を迎え入れると決めたときから”ひまちゃん”と呼びたくて 男の子でも女の子でも”ひまわり”と名付けたいなぁ・・・なんて思っていました。
どんな子が ビビッとくるのかなぁ・・・ とワクワクな気持ちでした。
その多頭飼育現場には 犬も猫も鳩もいました。多頭飼育の主さんは少しずつNDNのスタッフとも距離を縮めて 里親希望者が来たら 気持ちよく送り出すように言われていたようです。
猫部屋に入れてもらい 何匹いたのかな・・・?わちゃわちゃいた猫をいろいろよく見ていたら 背中をトントンされました。
振り向くと ケージに入れられていた アメショ風な子が 私にアピールしていたのです。



両方のお耳の先っちょが平らだった
(前世はうさぎで生まれ変わるとき神様が間違えてお耳を切りすぎた?)

 『あら。こっちにもいたんだね。可愛いね。トントンしたの』
そんなして 話しかけていたら もうこの子しかいないんじゃないかと思えてきて スタッフさんに この子にしたいです。と申し出ました。何人かいたスタッフさんは みんながみんな 小躍りしながら 喜んでくれました。
なぜ踊るほど喜んでくれたかというと この子は血液検査の結果 猫エイズ陽性だったから。
猫のことをよく知らない私に(初の猫飼いだったので) 担当者さんがいろいろ教えてくれて、注意することなど聞いた後、それでも この子にします!と申し出たのです。
猫エイズ陽性の子でも 生活環境によっては発症せずに天寿を全うする子もたくさんいるそうなので、
それなら大丈夫。この子を大事に自分の子に迎えます!と 強く申し出ました。
主さんは この子が自分の一番のお気に入りだから ダメだ!と最初ごねました。スタッフさんがうまく言ってくれて ようやく首を縦に振ってくれましたが、一週間待ってくれと。その間に気持ちを整理すると。
一週間後 迎えに行きました。主さんは少し涙を浮かべていました。お別れにチュってしていました。
私は 新しい家族になった子に 家路に向かう車中でたくさんたくさん 話しかけました。
”ひまわり~” ”お名前はひまわりだよ~” ”ひまわりちゃぁん”
家に着いてキャリーから出してあげると 狭い部屋の中を探索したり 小さい声で鳴いてみたり 窓からお外を眺めてみたり。自由にさせました。
”ひまわり~ 今日からここのおうちの子だよ おねえちゃんだよ” と自己紹介をし(私はママではなくおねえちゃんで通しました)
よくよく見ると あらまあなんと! ひまわりの種のような模様(*'▽')  ぴったりなお名前♡ 自画自賛ですが 気に入った名前でした。

      
ひまわりは、パーカーの中に入り込むのが好きな子でした
(前世はカンガルー?)

 仮譲渡から正式譲渡を経て うちの子になったわけですが 3~4年経ったころ≪急性腎不全≫になってしまいました。
 
動物病院から戻って私が泣いていたら
『病気になっちゃってごめんね』と言ってくれた時の写真です。

治療法は 腹膜透析。
獣医さんもあまり経験したことのない 治療法だったようでしたが 試してみましょうということで 勇気を出してすがってみることにしました。
 

朝  へその少し下に注射針を刺し(注射器の中には透析液が入っています)注入。
夕方 朝入れた透析液を抜く作業(朝同様注射針を刺し おなかの中の液を抜き上げます)
   透析液を抜き上げたら 新しい透析液を注入。
腎不全ですから 腎臓の機能が働かず 濾過されるべきものもされず 体の中に回っていけばどうなるか・・・
この濾過されなかった不純物を 透析液に付着させ 汚れた透析液を抜いて新しい液を体内に。

獣医さんが 『これを飼い主さんがすることになります。どうしますか?』と・・・
朝晩おなかに注射針を刺すことへの恐怖や不安が一瞬よぎりました。でも すぐに振り払い 
≪よし!私がこの子の腎臓になる!怖いだの出来ないだなんて言ってられないんだ!≫と奮い立ちました。

注射針を刺すので おなかのもひゃもひゃな毛は 動物病院でバリカンしてもらったり、おなかの皮を伸ばさないと液が皮下に入ってしまうので 両手足を持ってビヨ~ンって引っ張ってもらったりとか 動物病院の皆様には大変お世話になりました。
若い看護師さんたちは、ひまわりのことを”ひまポン”とよんでくれて ひまわりも”小林さん”という看護師さんがお気に入りでした。
自宅で透析の治療をするときは 近所に住む叔母2人に朝晩来てもらって ひとりは手をもうひとりは足を持ってもらってやったり、職場の会合などで夜帰りが遅くなる時などは 弟に代わりにやってもらったり。

最初は嫌がったり逃げたりしていたのですが、徐々に これをすることで楽になるんだと悟ったのかいい子に受けいれていました。この治療は9か月 続けました。
最後の方は 食事もなかなかできなくなったり 貧血状態になって 輸血をしてもらったり。そんな状態を一日中(私が仕事で留守の間)放っておけないので出勤前に動物病院へ連れて行き日帰り入院をお願いしていました。
2007年の末でした。動物病院の看護師さんから電話が来て”ひまぽんの呼吸が弱くなってきています・・・・すぐ来れますか?”
同僚に事情を話し、17:30(終業時間)までドキドキしながら待ち、タイムカードも急いで押し病院へ急ぎました。
今迎えに行くよ。待っててよ。とつぶやきながら、なかなか進まないラッシュ時の道路をひたすら運転しました。
涙がポロポロ流れ落ち 何度も何度も”神様ぁ!お願いします!”と声に出しました。
動物病院に着いて 急いでひまわりのいるケージに通してもらいましたが・・・私のお迎えを待てず 少し前に呼吸が止まってしまっていました。
ケージの扉を開け 触ったらまだ温かい 呼びかけたら目を開けてくれそうな・・・少しお口が開いていました。最後に”オネエチャン”と言ってくれたのだなと 勝手に信じています。推定7才という短い・・・天寿を全うしました。
動物たちの寿命が延びている昨今ですが どうしてもお外で生まれてお外で生きてきた子たちの寿命は短いのです。
生活環境で生まれ持っている猫エイズは発症せずとも、内臓の病気など防ぎきれないのが事実です。

先日 新潟動物ネットワーク代表が講師としてのセミナーを受講しましたが
テーマが≪人と動物とのより良い共生≫でした。

 
あなたにとって「人と動物とのより良い共生」とはなんですか?
 
1、人の幸せとは? 動物の幸せとは?
 2、人と動物はどのような関係性(つながり)を持っていますか?
 3、お互いの幸せのために、どうしたら良いと思いますか?


答えは一つではないし 様々な考えやすべき行動などあると思います。今一度じっくり考えることができたので受講してよかったです。

新潟動物ネットワークに出会ったおかげで たくさんのことを学んでいろんな経験ができました。
これから先は もっともっといろんなことを考えたり勉強したりして 動物愛護・動物福祉などに関わっていきたいと思い、ゆくゆくは 親族から今のアパートを引き継ぐことになったら ペット可(特に猫)の賃貸にできたらいいなぁと企みながら 少しずつ動き始めているところです。


新潟動物ネットワーク/猫班
榎並 奈奈
令和5年4月1日


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新潟動物ネットワークさんから、メッセージを戴きました。
   動物のいのちのことを考えてみませんか・・・・
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  メール  ndn2@ndn2001.com
  http://ndn2001.com
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