新潟動物ネットワーク  
No.230


 山梨県アニマルウェルフェア研修会③

ぶぅふぅうぅ農園
アニマルウェルフェア班 小柳祐司



全国の自治体で初めてアニマルウェルフェア(AW,動物福祉)を畜産品の価値としてブランド化した
「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」をご存知ですか?
3回目のリポートは全国でも珍しい放牧養豚のぶぅふぅうぅ農園です。

******

「ぶぅふぅうぅ農園」は日本ではほとんど見られない放牧養豚の農場です。1985年に設立、母豚22頭、種付豚(雄)2頭、肥育豚180頭が放牧されて、平飼い養鶏と合わせて代表の中嶋さんと従業員2名で運営をしています。大変お忙しい中、また、豚熱(CSF)の感染防止のため外部との接触を極力排除されている中で受け入れてくださり心から感謝です。

「ぶぅふぅうぅ農園」は、豚が豚らしく生きて欲しい。その結果として命の恵みをいただきたいという考えのもと、豚のストレスを減らし本来の行動が取れるような環境を整えながらも、手ごろな価格で良質な肉を作ることを目ざしており、中嶋さん曰く、放牧飼いをすると肉に臭みがなくなり白豚が黒豚の肉質と変わらない質と味になるそうです。断尾は行わず、予防的な抗生物質は投与せずワクチン接種で管理をしています。


 



  豚は頭が良く人の顔を覚え、鏡に写った人間が鏡の中に存在しないと認識すると、後ろを振り返るそうです。昼寝をして、目覚めると餌を食べて、活発に行動する。生活ルーティンがあり、身繕いをし、次に排泄場に行き、餌を食べて広場の運動場に向かいます。(なんとなく人の出勤前の行動に似ていませんか?)「強い豚と弱い豚」でグループを作り豚同士で順位を付けるそうです。悲しいことに順位が上位でも、年齢を重ねると下位に格下げされ弱い豚のグループとなります。

発情期に入ると自然交配させます。妊娠期間は3ヶ月3週3日とのことです。出産予定日5日前になると、分娩ストールに移動します。これは、生まれた子豚(1回で10~12匹)を踏んだり潰したりしないようにするためです。大きく強い子豚はミルクが沢山出る乳を吸い、小さく弱い子豚は後ろの乳を奪い合います。また子豚は自分で体温を維持できないのでヒーターの入った小さな小屋を設置しています。生後10日過ぎると放牧を開始し、離乳が完了する45日間は親子で一緒に過ごします。育成期に入ると子豚は運動場付き豚舎で過ごし、3ヶ月半~4ヶ月で体重40㎏程に成長したら肥育期で、約1000㎡に22頭くらいの放牧場に移動します。210日体重210㎏で出荷されます。

餌はエコフィードを中心に残りの約15%はトウモロコシを使用。非遺伝子組み換え(NON-GM)、収穫後に農薬を使わない(PHF)を使っています。子豚は消化器官を丈夫にするために、おからを混ぜた発酵飼料も与えています。

 







 豚は生まれて僅か210日(人間齢では15歳)で一生を終えます。本来なら放牧飼育で4年から5年は生きるそうです。「ぶぅふぅうぅ農園」ではアニマルウェルフェアを実践し、良質で美味しい肉を提供するため日々努力をしています。消費者である私たちも漠然と目の前にある肉を食べるだけなく、畜産動物の命の尊厳を守り、幸せな一生を過ごせるような選択肢を考えてみませんか?アニマルウェルフェア(動物の福祉)に終わりはありません。新潟県でもアニマルウェルフェアに特化した農場農園が増えることを願っています。

 




     令和5年3月1日



新潟県動物ネットワーク バックナンバーへ


新潟動物ネットワークさんから、メッセージを戴きました。
   動物のいのちのことを考えてみませんか・・・・
新潟動物ネットワーク 090-2844-4881
  メール  ndn2@ndn2001.com
  http://ndn2001.com
※里親さん大募集しております。※
表 紙 | WEB情報 | サイトマップ | バックナンバー | 検索・リンク 
発行:デジタルショップ村上
新潟県村上市・岩船郡7市町村 月刊デジタル情報誌 2001年1月1日創刊 ムラカミ21ドットコム
(c)2001~murakami21.com All rights reserved
Produce by Takao Yasuzawa