新潟動物ネットワーク  
No.229


山梨県アニマルウェルフェア研修会②
アニマルウェルフェア改善への思い
/佐藤衆介先生の講義





 全国の自治体で初めてアニマルウェルフェア(AW,動物福祉)を畜産品の価値としてブランド化した「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」をご存知ですか? NDNでは、2022年10月8日、9日に三つ星認証を得た(有)黒富士農場と、ぶぅふぅうぅ農園を訪問しました。また、日本のAW研究の第一人者で、八ヶ岳中央農業実践大学校畜産部長をされている東北大学名誉教授 佐藤衆介先生の講義を受けました。2回目のリポートは佐藤衆介先生の講義です。
 

山梨県アニマルウェルフェア研修会②
アニマルウェルフェア改善への思い/佐藤衆介先生の講義
 アニマルウェルフェア班 佐藤由希子


10月8日夜は、宿泊のコテージで東北大学名誉教授 佐藤衆介先生の講義を受けました。佐藤先生は日本のAW研究の第一人者で、現在、八ヶ岳中央農業実践大学校畜産部長をされています。先生は当日朝も、ご自身の管理している大学校の家畜たちのお世話をしてからいらっしゃったそうです。

事前に議題について希望をお伝えしていたところ、「議題が多い」と仰りながらもすべての希望に応えてお話してくださり、気さくな先生のお人柄がさく裂していました。幼少期からどうして動物に、研究に興味を持ったのか(=根本に、動物・自然好き)から、「動物の(畜産でいえば工場化していく中で)切り捨てられた行動に光を当てたい」と思う理由、疑問をもつことの大切さ、でも原点からズレないことの大切さ、亜流(時に変わり者と呼ばれる)でいることの価値、などを知ることができたので、難しいお話の部分もすんなり理解できた気がします。


 






これから重要だと思う(すでに実施している)ことは、子供たちへの教育。ただ実践大学校でさえも、AWに注目して学んでいる生徒は多くないのだそうです。畜産物について消費者への意識調査では「AWに配慮されていたほうがいい」という意見は多いものの、「では価格が上がってもいいか」との問いには「いい」とはならないそうです。そのままでは生産者側にだけコストや負担がかかり、AWの向上の場を目指したくても踏み切れない、という状況が続いてしまいます。NDNなど愛護団体に望むことは、そのようなギャップを埋める懸け橋になってほしい、というものでした。NDNでは昨年1月にアニマルウェルフェア班を新設して、フェスや学校訪問、パネル・リーフレット、見学会や勉強会など、おこなってきました。活動の結果が少しずつでも見えるようになってくるとよいです。

講義の後は、食の勉強を兼ねて参加者全員で食卓をかこみました。地元のイタリア料理店に、AWに配慮した食材でなければNO!というオーダーで、地元有機野菜、地鶏などをつかったコースでした。飲食店や販売店に、このようにオーダーをすることも、大切な普及活動になると思います。いきつけのお店がある方は、ぜひシェフに依頼してみてください ^^

さらに、スタッフの1人がコテージのキッチンで大豆ミート唐揚げを作ってくれました! 食べても大豆ミートと気づかない人も?! 外部参加者の皆さんも、それぞれの立場から気さくにお話されていて、とてもよい交流の場になったと思います。素晴らしい経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。











令和5年2月1日



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