新潟動物ネットワーク  
No.228


山梨県アニマルウェルフェア研修会① 「黒富士農場」




2023年の幕開けに、皆様のご多幸とご健勝を心から祈念しております。新潟動物ネットワークも多くの皆様から支えられて23年目に入ります。改めて「命」に優しい社会とは何なのか、そんな原点を考えて新しい1年をスタートしたいと思っています。

さて、全国の自治体で初めてアニマルウェルフェア(動物福祉)を畜産品の価値としてブランド化した「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」をご存知ですか? NDNでは、2022年10月8日、9日に三つ星認証を得た(有)黒富士農場と、ぶぅふぅうぅ農園を訪問してきました。また、日本のAW研究の第一人者で、現在、八ヶ岳中央農業実践大学校畜産部長をされている東北大学名誉教授 佐藤衆介先生の講義を受けました。

これから3ヶ月に渡って、参加者からのリポートをお伝えします。産業動物も、私たちと同じ命です。私たちの命を支える尊い命です。どうしたら彼らの尊厳を守りつつ恩恵に授かることができるのか、消費者としてどう関われるのかを一緒に考えていきましょう。 (NDN 岡田朋子)


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山梨県アニマルウェルフェア研修会①
 「黒富士農場」  新潟高校3年 赤石恵理子



新潟から約5時間。山梨県甲斐市の標高1,100mに位置する壮大な山々に囲まれた自然豊かな農園、「黒富士農場」を訪問し、鶏卵の生産・販売について沢山学ばせていただきました。ここでは「自然と共生する持続可能な畜産」を経営理念として有機畜産・循環型農業を実践し、17haもの広大な土地で約6万羽の鶏を飼養しています。







私たちがよく知っている「卵」ですが、その生産方法は様々です。狭いケージの中で生涯を終えるものもいれば、外でも自由に動き回れるものもいます。日本では約9割の鶏が狭いケージの中だけで飼育されていますが、黒富士農場は全国でも数少ない平飼い放牧を行っている農場です。平飼いの鶏さんは1日中外に出ているわけではなく、人目がある昼の間だけ外に出て草を食べたり、地面をつついたりできます。

  



 太陽の下で元気に育った鶏さんの卵は栄養も豊富で、間違いなく私たちの健康な身体づくりを手助けしてくれます。この農場では6種類の卵が生産されており、中には有機JAS認証を取得しているものもあります。

 





ここで生産された卵を使ってお菓子などを調理している「菓子工房Bio villa d'oeuf」では、美味しそうなクッキーやケーキ、パンなど沢山の商品が販売されていました。中でも特に注目すべきなのが「有機ばうむ」です。有機JAS認証を取得した日本で初めてのバウムクーヘンで、人の健康だけでなく環境保全や産業動物福祉にも配慮された商品なんです。是非みなさんも一度足を運んでみてはどうでしょうか?





 
 農場見学を通して鶏さんがより身近な存在に感じられ、「卵」に対する考え方も変わりました。日々何気なく食べているものにほんの少しだけ目を向けてみることで、それまで感じていたものとは異なる新しい世界が見えてきます。私もこの日学んだことをしっかりと振り返り、自分の中だけで留めておくのではなく周りの方々にもAWの考え方や有機栽培の魅力を伝えていきたいと思います。そしてこれからも全ての食材に感謝して、心を込めた「いただきます」を言いたいです。お世話になった黒富士農場の方々、ありがとうございました!


追伸:新潟市東区で身体に優しい、健康を考えた安心安全な食を扱っている「ナチュレ片山」さんで
黒富士農場の卵の取り扱いがスタートしました。食べてみれば、違いがきっとわかると思います。
どうぞご賞味ください!(NDN 岡田朋子)   http://nature-katayama.jp

 


令和5年1月1日


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