新潟動物ネットワーク  
No.224




鎌田養鶏見学会の報告   



 

先日、スタッフ11名で鎌田養鶏さんへ見学に行かせていただきました。
鎌田養鶏は、日本で最初にエンリッチドケージを取り入れた養鶏場です。
NDNでは、「おもいやりタマゴ」というネーミングで2014年から鎌田養鶏さんとコラボして、1パックにつき50円が動物愛護活動に寄付される卵を譲渡会などで販売しています。

 

まず社長さんから、どのような考えからエンリッチドケージにしたのか、他の養鶏場との違いなどをお聞きしました。
中越沖地震での被災をきっかけに、どうしたら差別化が図れるか考えて、アニマルウェルフェアにたどり着いたそうです。エンリッチドケージはケージの中に複数の鶏を入れる方法で、EUでは唯一認められているケージ飼育です。日本ではほとんどの採卵鶏がバタリーケージという大変狭い金網のケージに1羽か2羽入れられています。

鶏の健康管理のため人の目が届きやすいように2段ケージにしている(通常は3~4段、大きいところは10段のところもある)ことや、通常のケージを改良してもらったこと、今後はもう少しケージ内の鶏の数を減らして鶏がもっと快適にすごせるようにしたいということをおっしゃっていました。

 



その後、鶏舎と卵を出荷するための部屋を見学させていただきました。鶏舎は涼しく、臭いもありませんでした。
暑さ対策では、クーリングパドという冷却システムを使っているそうです。水を撒くなどミストで放熱する方法では鶏舎が湿ってしまいますし、扇風機を回すだけだと、この時期は暑さで死ぬ鶏も出るそうです。
一羽当たり750平方cmほどのスペースを与えられており、巣の代わりにオレンジ色の仕切り版と、金属製の止まり木が入っています。これは、鶏の本能である「止まり木に止まる」「巣作りをして卵を産む」という2つに配慮しています。しかし、砂浴びの本能は満たされない点が平飼いとは違います。
1つ残念だったのは、導入時には床面に使っていた保護マットが外されて金網になっていました。これは食品であることを優先させて、卵の汚染対策で変更したそうです。
とはいえ、バタリーケージではよくある脚の裏の炎症は見られないとのことでした。また、くちばしの先端を切るデビークは仕入れの際の1回です。(農場によっては2回切る場合もあります。)多くの農場では採卵率が下がると餌や水を減らしたり絶食させる強制換羽を行っていますが、ここではしていません。





 
物価の値上がりで、今は鶏の餌代が1日14万円も上がった!というのが衝撃でした。1日6トンの餌をあげているので。まじめにやるとお金がかかるものです。と。
衛生面では農場HACCPを取得、追加の維持管理だけで年間600万円ほどアップとのことでした。
また、鶏糞と食品残渣を使ったリサイクル事業で、汚泥肥料などを作っています。


帰りは、直売所でたまごとスイーツを購入しました!
皆さまもぜひ行ってみられてはいかがでしょうか。
冷凍のスイーツも開発しており全国にネット販売も計画しているそうです。
直売所では、10個入りは全て紙パック、それより多いと、リサイクル可能なカゴでの販売もしています。今でいう脱プラの取り組みを10年以上前から行っています。
 
 




「おもいやりタマゴ」もあります。 
 

このようにオープンに対応していただける農場は多くはないです。貴重な機会を大変ありがとうございました。



鎌田養鶏株式会社ホームページ
https://kamatayoukei.com/index.htm 
 

新潟動物ネットワーク/物販チーム
中野 沙由里
令和4年9月1日


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