新潟動物ネットワーク No.211 |
|||||
虐待された野良猫ベルとの出会い |
|||||
私は動物が大好きで、子供のころから、いつも動物と一緒に暮らしていました。 正直、かなりの大人になるまでは、家族として暮らしていた子たちを捨てるような人が居ること、そして、捨てられたたくさんの子たちが殺処分されているという恐ろしい現実を知りませんでした。 知りたくない現実、知ってしまった現実。 私1人で何かできる? でも、みんなで力を合わせれば何かができる。 そう思いながら、NDNで自分にできる小さなことを始めてみようと思いました。 活動していると辛い現実が多い中、素敵な出会いや嬉しいこともたくさんあります。 今日は、素敵な出会いのほんの一例ですが、今から16~17年程前に出会った 『野良猫ベル』のお話しをさせて頂きます。 ベルは虐待された野良猫でした。 体に革のベルトをぐるぐる巻きにされ、野良猫としてずっと生きていました。 あるエサやりさんの所に現れるようになり、その方が、かわいそうだとNDNに助けを求め、スタッフの方が救出に行き、病院でベルトを外してもらいました。(避妊手術もしました) ベルトは体に食い込んでいて、化膿していました。 ずっと痛かっただろうな。。。 辛かっただろうな。。。 ベルの気持ちを考えると本当に切ない。 虐待は本当に許せない! そして、ベルは血液検査の結果、猫エイズに感染していました。 あまりにも悲しすぎます。 ベルの保護先が見つからず、このままでは元居た場所にリリースするしかありませんでした。 また野良猫に戻る。 虐待され、辛い思いをしながらも必死に生きてきたベルの事を想うと、私は、どうしてもリリースを考えることができませんでした。 先住猫がいた我が家、ベルを保護することに家族に猛反対されましたが、何度も話し合いを重ね、ケージから絶対に出さないという条件で、ベルを一時的に引き取ることができました。 人間が怖いベルは、私を見るたびに恐ろしい顔で威嚇しました。 ご飯をあげようとケージへ手を入れると、思い切り爪を出して引っ?き、命がけの抵抗をしてきます。 ケージの扉を開けても、恐怖のあまり、ベルがケージから出ることもありませんでした。 触ることもできない、常に威嚇状態で猫エイズのハンディを持ったベルに、里親さんは見つかるのだろうか? もしかしたら、一生、ケージから出てこない、出られないのでは? そんな事がいつも頭をよぎっていました。 保護して半年経った頃、NDNのHPを見た方から連絡がありました。 群馬の方で、亡くなった愛猫『茶子ちゃん』にベルがそっくりなので、会いに行きたいと。 茶子ちゃんの写真も送ってくださり、本当にベルにそっくりで驚きました。 茶子ちゃんが繋いでくれたご縁。 その方は、威嚇して全くなつかず、また猫エイズということを理解した上で、ベルの里親さんになってくださいました。 里親さんがベルにたくさんの愛情を注いでくださったお陰で、ベルも里親さんを心から信頼し、里親さんが大好きになり、群馬で幸せに暮らしていました。 |
|||||
|
|
||||
ベルは穏やかで、みんなにとても優しい子だったそうです |
|||||
そんなベルは、4年前、大好きな群馬のお母さんに看取られ、虹の橋を渡りました。 野良猫だったベルを、家族、我が子として迎えて頂き、ベルは幸せだったと思います。群馬のお母さん、本当にありがとうございます。 ベルだけではありません。 家族として迎え入れ、幸せにしてくださっているたくさんの里親さん達に、この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。 本当にありがとうございます。 ベルのように、動物は必ず人間の愛情に応えてくれます。 それなのに、人間は人間の都合で動物を苦しめる。 とても残念で仕方がありません。 ~人間の都合で苦しむ動物がいなくなる世の中、 人と動物がより良い形で共存していける世の中~ 私はそれを願って、自分にできることを頑張っていこうと思います。 |
|||||
新潟動物ネットワーク/猫班 吉原 加奈子 令和3年8月1日 |
|||||
|
|||||
新潟県動物ネットワーク バックナンバーへ |
|||||
|
|||||
|