2011年11月号 | ||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.125 |
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笹川流れを渡る |
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笹川流れ・・・地名? なんてロマンチックな呼び名だろう! 粟島・・・ひえ、あわと言うぐらいだから、きっと小さな小さな島なのだろうか? そんな名前に心を引かれ、遠泳魂に火が付いた。 粟島まで泳いで見たい! 新潟県村上市まで車を走らせていた。 夕日が美しく、益々こころを湧き立たせる。 桑川漁港から見えた粟島は、優しく微笑んでいるようにも見える。 波の音も、潮風も、雲の流れも全てが心地いい。 さあ・・・準備に取り掛かろう。 遠泳は粟島まで道案内をしてくれる船長さん探しから始まる。 笹川流れ観光汽船乗り場に、行ってみる。 漁師さんが好みそうな、力強い演歌が高々と流れ、一夜干しの魚を焼く臭いが 空腹だったことを思い出させた。 「さあ~、食べてってよ~。新鮮だから美味しいよ~」 進められるまま口にする。本当に美味しい! これが縁となって、笹川流れ観光汽船の渡辺社長さんのお宅に招かれた。 渡辺社長さんの口利きで、笹川丸の船長さん本間さんを紹介していただいた。 本間船長さんは、非常に身軽で、手早く、頭の切れが良く、そして何より優しい方だ。 女性6名(なかよし会)で2000 年7月26日、 笹川流れから粟島間往復リレー遠泳が実施された。 笹川流れ・・・さらさらと穏やかに流れて行くイメージがあったが、実際は潮流の速い力強い海だった。 そう言えば、下見で遊覧船に乗った時に見た、波風に風食した面白い形をした岩に関心しながら遊覧したことを忘れていた。 水くらげをぽんぽん叩きながら、また強い潮に苦戦しながら6人の女性は46Kmを14時間で完泳した。 監督やスタッフの指示、船長さんの的確な道案内のおかげで・・・何より嬉しかったのは、ゴール地点で観光汽船の方々が「今、遠泳をしている人たちが帰ってきてま~す。応援しましょう!」と観光客のみなさんにハンドマイクで声を掛けてくださり、「がんばれ~!がんばれ~!」の声援が有ったことだった。 十数年遠泳をしているが、こんな応援のもと完泳出来たのは、後にも先にもこの時だけだった。 その後、私(尾迫)は、単独でこの海に挑んだ。 2001年8月、笹川流れ~粟島間21Kmを6時間35分で完泳している。 あの美しい夕日と村上市の方々の優しさは、幾重にも重なり合って、いつまでもいつまでも忘れることはない!! 現在、桑川漁港には、演歌に変わって、猿島 渡さんが作詞作曲した「夏を待つ海」という歌が流れている。・・・・・ 監修:遠泳監督 宇田 快 ※猿渡渡さん(鮭っ子物語NO.123「他人の海へ」の 執筆者森下晴男さん):リンク |
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