2011年9月号 | ||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.123 |
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他人の海へ |
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他人の家に土足で上がる様な事は間違ってもしていません、でももしかすると他人の海に下手な歌声を流す様なことはしてしまったのかも知れません。 実は檜原村に住む友人から頼まれて笹川流れの歌を作りました。その歌をこの春彼が桑川漁港で遊覧船の会社を営む方に届けたのです。その日確かに桑川漁港に私の歌声が流れました。彼が撮影してきたビデオで確認したのです。その友人は本業以外に水泳のインストラクターとしても活動していてずいぶん昔から仲間たちと協力して遠泳をやっています。津軽海峡、伊豆大島と下田、伊豆大島と千葉県館山、もちろん笹川流れと粟島等々、遠泳は彼らの仲間だけではできません地元の漁師さんや民宿の方など色々な人たちにお世話になるのだそうです。安全のため地元の漁船等による伴走は不可欠です。平成13年8月笹川流れ粟島間を泳いだ時も地元の人たちに色々と協力いただいたそうです。とくに遊覧船の会社の方たちには。そんな彼が平成22年の8月のある日ふと私の家にたちよって言ったのです。「今度新潟県の村上市にある笹川流れの歌を作ってくれない」と。そしてこうも言ったのです。「桑川漁港はいつも演歌しかかかってないんだ」正直迷いました。趣味で音楽は長いことやってはいますが、勝手気ままに歌を作っているだけで人に頼まれて作ったことは今までありません。でも私も神奈川県横須賀市の生まれで海育ちですしそれに誰よりも海が好きなのです結局引き受けました。 歌を作るに当たり決めたことがあります。 それは現地には行かないという事つまりイメージを大切にしたかったのです、でもインターネットや雑誌等で情報収集はしましたCDにしなければならないのでアレンジは友人に頼みました自分ではできません。歌はやむを得ず自分で歌う事にしたのです。そして約3か月かけて創作した歌が「夏を待つ海」なのです。日本海の冬は時化の日が続くと聞いていますしやっと訪れる春もまだ海は寒いはずそう考えてタイトルは「夏を待つ海」としたのです。 そんなある日地元の新聞に赤見市郎さんの記事が載ったのです。そこで赤見さんが村上市のご出身と知り迷わずに自作のCDをお送りした訳です。 今考えると、友人が以前遠泳の時地元の人たちに大変お世話になった事に今でも感謝の気持ちを持っていて、漠然といつか何かの形で役に立ちたいそんな風に考えていたのだと思います。事の起こりはそういう事です。彼が撮影した映像のバックに「夏を待つ海」が流れている動画をユウチューブに登録しています。インターネットで「笹川流れ 夏を待つ海」で検索すると見る事ができます。 そんな訳ではからずも他人様の海に上手くもない歌声を流してしまったのです。 |
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平成23年 夏 |
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