http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
自立への道
2004年11月21日掲載
村上広域情報誌2001
編集長安沢孝雄

村上市・岩船郡は合併問題でゆれています。
合併する、しないに関らず、自立しなければなりません。
どうしたら自立出来るのかを考えたいと思います。


村上の合併への動き(11月21日現在)

1.今ある6市町村の合併協議会の存続
@6市町村合併の是非を問う住民投票条例制定の要望への署名運動
A6市町村合併の実現のための賛成署名運動

2.新たな枠組みでの合併または単独自立

3.合併反対

この3つの動きがあります。残念なのはどの動きにしても自立への方策が語られていません。合併する・しないに関らず自立していかなければなりません。
時代背景を視野に入れると、村上市・岩船郡が揃って自立していける計画を示す必要があります。


時代背景

三位一体の改革
 地方自治体の自由度を高め、住民のみなさんにより身近で、地域の特性にあった施策を展開するため、国と地方の役割を見直し財政面での自立をはかり、真の地方自治の確立をめざす「地方分権改革」。
(1)国庫支出金を減らす。
(2)税源を地方に移譲する。
(3)地方交付税を見直す。

補助金や交付税はどんどん削減されていますが、財源・権限の移譲はいつになるのでしょう。


団塊の世代の高齢化
 2012年頃から団塊の世代(昭和22〜25年生れ)が高齢者の仲間入りをします。
戦後の急速なベビーブームのこの世代は、小中学校55人教室でも間に合わずプレハブ教室まで必要となりました。
今回は、誰がいつ・何人卒業するのかわからない。先輩も多く、大変厳しい生存競争となるでしょう。
現在でも、病院や介護施設は満員です。残された方策は在宅介護しかありません。
時代にあった在宅介護システムを構築する事が急務です。
合併したら広大な面積の市になります。民間事業所も増えています。安心できる新市の介護制度を確立する必要があります。


措置法から介護保険に移行(義務と権利の違い)
 行政の義務から要介護者の権利となり、介護保険の支払いは義務となった介護保険制度。介護される権利はあるものの、介護施設がいっぱいなら入ることが出来ません。
 義務教育である小中学校では、たとえ学校がいっぱいでも、行政の義務として入学できる環境を整えなければなりません。
行政の義務から国民の権利に移行することが必ずしもいいことではない場合があります。介護保険制度はその最たるものではないでしょうか。
介護保険は、年金制度や医療費と共に関心を深める必要があります。


村上市の場合・・・活性化=生活向上=税収増=福祉の向上

 村上市の活性化は、交流人口増加を目指すしかありません。
「町屋の人形さま巡り」「町屋の屏風まつり」で実証された村上が持っている交流人口の増加への力は大変高いと感じています。
最近注目されている飛騨市古川地区は、(財)日本ナショナルトラスの「観光資源調査」実施以降、急速に景観整備が行われ多くの観光客が訪れています。
景観整備からはじまり、現在は教育・スポーツ・農業振興へと発展しています。
また、地域の連携が確立され、道路や川の清掃は日常化し、結果的に災害に強い町となっています。空き店舗が少なく活気あるまちです。
飛騨古川で残念なのは、宿泊施設が少ないことでしょう。

 村上の場合、飛騨古川と同じ「観光資源調査」が、旧村上町屋地区で2002年に行われ、2003年には報告書が出ました。
この調査で、交流人口の増加に対して村上の町屋が持っている力が示されています。国の伝統的建造物郡保存地区を目指しながら、「町屋などの歴史的建造物を保全し、今後は村上らしい建物の新築していく必要がある(調査報告書抜粋)。」このことを実行することで、村上の活性化が始まります。
さらに村上には瀬波温泉があります。瀬波温泉の活性化は、そこで働く人や出入りの業者に波及し、結果的に税収につながります。
現在、いくつかの民間団体がまちづくりに活動しています。そして瀬波温泉と一緒にまちづくりを行う動きが出てきました。
今後は、市民が一体となって町並み保存・景観整備に進むことが村上の活性化になり、行政の税収策となります。
国の交付金や補助金の削減で市の財政は年々厳しさを増してきました。行政のスリム化や人件費・事業費の削減も必要でしょうが、今最も求められているものは、歳入策です。

村上市が合併する・しないに関らず、活性化は必要です。
市民・行政が一体となって交流人口の増加を目指し、旧村上町屋地区・旧武家町地区から瀬波町地区、岩船地区のまち並み保存・景観整備が最重要の事業となります。
都市計画道路の白紙見直しを行い、グランドデザインの作成から始めなければなりません。


村上市の自立は可能・・・
 住民と行政が一体となって交流人口の増加を進めることで、村上市は活気づくでしょう。他町村の活性化策はそれぞれの行政・住民が検討していると思いますので、ここでは触れません。
村上市は自立していけると考えます。
しかし、環境都市をつくるために合併は必要です。また、今まで一緒の生活圏の町村と、厳しい時代だからこそこれからも一緒に歩んで行きたいと思います。
そのための提案はここ(リンク)に掲載しています。


合併特例債
 合併特例債は借金となり、住民の負担はさらに大きくなると心配されています。
今後30〜50年間、設備投資が必要ないのであれば特例債はいらない。
現実はどうでしょう。生涯学習の重要拠点である村上市中央公民館は、老朽化が激しく、あとどのくらい利用できるかわかりません。現市役所を生涯学習センターとし、また交流人口の増加に対応するため、観光客用駐車場として活用できます。
また、団塊の世代の高齢化に対応出来る設備投資も必要です。

3割は借金=7割引きで設備投資できると考えたら、今後必ず必要となる設備投資に特例債(7割引き券)を使わない手はないでしょう。
たとえば10年後、施設が必要になったとき補助金はないでしょう。そのとき100%新市負担の事業は厳しいです。

今必要なのは、30〜50年後を見据えた政策です。次世代のために何が必要か見極めることが重要です。その対応として合併特例債があるのだと思います。


環境都市づくり(新市の目的)
 先日、村上で行われた講演会で、このままで行くとあと30〜50年で海面が5m上昇すると聞きました。地球環境にとって、最も悪い国は、日本とアメリカだそうです。

 村上市・岩船郡6市町村が合併すると、山から海まで一つの行政区となる特別な地理的条件を持っています。山の環境保全が川につながり里、そして海の環境保全とまります。
山・川・海で活かされてきたこの地が、環境都市づくりを行うことで、再び安全・安心な食材作りと発展し、山の木を使い、地元大工の匠の技がいかされた住宅建設へと動く。川が活き、海が活きます。
また、今後期待される公共事業が少ない中、環境への事業は全地球規模で行われると考えます。いち早く環境事業を取り入れる事で、更なる活性化となります。
環境都市をつくるために合併を推進します。


新市名について(歴史・文化からの視点)
 現在の村上市・岩船郡の基盤となっている時代は、江戸時代に築かれました。いわふねの柵があったとされる時代ではないと思います。
この点からも村上市あるいは越後村上市が妥当と考えます。


合併の視点
1.三位一体の改革の進行への対応(自立への対応)
2.団塊の世代の高齢化への対応
3.自然環境の悪化への対応
4.次世代への対応
6市町村の活性化・自立に向け、また高齢化社会に対応するために合併が必要です。それぞれの市町村の行政・住民で真剣に取り組んで頂きたい。
残された時間は少ない。理解を得るための時間がないと、簡単にあきらめることが出来ない時なのです。
私たちの時代も当然ですが、子や孫の時代がどうなるかは、今の合併への対応次第だと言っても過言ではありません。

合併することが目的ではなく、あくまで手段です。何のための合併かを明確にする必要があると考え、以上のことを提案します。

   合併への提案(H16.11.3記載)リンク


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