広域合併を市名から考えよう!! 村上広域情報誌2001


 佐藤順村上市長は、5月就任以来初めての議会となる、平成14年6月13日の村上市議会6月議会の一般質問に対し、「村上市の名を残すなら、編入合併しかない」と発言し波紋をよんだ。
平成14年4月2日に設立された「合併推進協議会(任意)」では、
@新設合併
A合併の時期は、平成17年3月31日まで
B新市の名称は、公募する
という方向で承認されている。
これに対して、合併推進協議会(任意)副会長でもある佐藤村上市長の発言は、今までの「合併協議会」の方向を大きく変える発言ととられ、他町村長は不快感を表している。また村上市議会は、この発言に対して急きょ議員協議会を開いた。

 佐藤市長は「市民は村上の名を残したいと切望している。皇室ゆかりの地として浸透し、村上牛や村上大祭などへの誇りもある」と説明した。「新市名については任意協(合併推進協議会)では公募が検討されているが、村上の名が残る保証はない。確実に残すとすれば編入合併しかない」と明言した。
この発言をきっかけに広域合併が、住民の間で活発に語られることを期待する。
 「村上広域情報誌2001」では、地方分権の受け皿づくりのための合併には大賛成です。しかし地方分権はどんどん遠くへいってしまったようです。今語られている合併は、財政難や高齢化の伴う介護保険への対応が主です。
では、どんな合併であればいいのでしょか?

参考:「夢ある広域合併を」

 「合併後の市の名前について」と題して、このページの広域合併掲示板にも記載しましたが、市名から合併論議を始めましょう。
 皇太子妃雅子様御成婚以来、村上市という名前がようやく全国に知れ渡りました。このことは「観光文化都市村上」にとってとても重要なことです。また、広域町村にとっても重要なことです。
 「町屋の人形さま巡り」や「屏風まつり」で実証されているいるように「交流人口」の増加を目指す以外に、地域経済の活性化は考えにくい今、知れ渡った市名は大切です。
真剣に市名について考えてみませんか。

 下記に合併の基礎的資料を整理してみました。参考にしていただき、活発な議論を期待します。
            
    平成14年6月19日



新設合併と編入合併の比較
新設合併 編入合併
定義 2以上の市町村の区域の全部若しくは一部をもって新たな市町村を置くことで市町村の数の減少を伴うもの。 市町村の区域の全部若しくは一部を他の市町村に編入することで市町村の数の減少を伴うもの。
法人格 新たに法人格が発生する。 編入する市町村の法人格が継続する。
合併市町村の名称 新たに定める。
対等合併のため、特定の市町村名を意味する名称はつけにくいと理解されている。
特例としては、静岡市と清水市の合併で幾たびかの議論の末、合併協議会委員の投票で静岡市となった例がある。
合併協議会での第1回投票で「静岡市」「駿河市」「日本平」の3候補名称に絞り込み、最終投票で、「静岡市」20票「駿河市」18票「日本平市」0票となり、静岡市と決定した。

参照:静岡市清水市合併協議会
編入する市町村の名称となる。
事務所の位置 新たに定める。 原則としては編入する市町村の事務所の位置となる。
市町村の長 合併関係市町村の長は全て失職する。 編入する市町村の長は変わらず、編入される(消滅する)市町村の長は失職する。
議会の定数

合併関係市町村の議会の議員は失職する。
合併市町村の法定数による設置選挙を行う。
村上市・岩船郡7市町村の合併の場合、人口8万として、法定定数36名
( 人口5〜15万)。

*地方自治法改正により、平成15年1月1日以降法定定数30名
編入する市町村の議会の議員は在任し、編入される(消滅する)市町村の議会の議員は失職する。(合併による著しい人口増の場合は増員選挙を行う。)
編入した市町村議員はそのまま在任し、
編入された市町村議員は、合併後50日以内に、「法定定数36
(人口5〜15万)−編入した市町村の議員定数」の増員選挙行う。


次のいずれかによることができる。
@設置選挙において、新設合併の特例定数(法定数の2倍まで)とする。
72名 (法定定数36×2)(人口5〜15万)
合併後50日以内に議会の設置選挙を行う。
設置選挙で選出された議員の任期期間後は法定定数36名の一般選挙。
次のいずれかによることができる。
@増員選挙及びこれに続く最初の一般選挙において編入合併の特例定数とする。(増加分は編入された区域に配分)
編入した市町村の議員はそのまま在任。編入された市町村議員は、合併後50日以内に増員選挙を行う。
定数は、編入された市町村の人口によって定められる。
A合併関係市町村の議会の議員で合併市町村の議会の議員の被選挙権を有することとなる者は最長2年間在任する。
7市町村議会議員の被選挙権を有する全ての議員(任期2年以内)。
その後は法定定数36名
(人口5〜15万)の一般選挙を行う。

A編入される市町村の議会の議員で合併市町村の議会の議員の被選挙権を有することとなる者は編入する市町村の議会の議員の残任期間だけ在任する。
この場合、更に最初の一般選挙において編入合併の特例定数を採ることができる。
合併後は、全ての市町村議員は、選挙を行わず編入した市町村の議会の残任期間を在任する。
その後、一般選挙で編入した市町村議会の定数は変らず、編入された市町村議会の定数は、それぞれの市町村選挙区で人口割合で選出される。
その後の一般選挙は、法定定数36名(人口5〜15万)で行われる。
農業委員会の委員
(合併市町村に1つ置くこととする場合)
合併関係市町村の委員(選挙による委員,選任による委員)は全て失職する。 編入する市町村の委員はそのまま在任し、編入される(消滅する)市町村の委員は全て失職する。
合併関係市町村の委員(選挙)のうち、合併市町村の農業委員会の委員の被選挙権を有することとなる者は10〜80人の範囲で、1年以内の間、在任できる。 編入される(消滅する)市町村の委員(選挙)のうち、合併市町村の農業委員会の委員の被選挙権を有することとなる者は、40人までの範囲で、編入する市町村の委員の在任期間在任できる。
特別職の職員 合併関係市町村の特別職の職員は全員失職する。(新たに選任する。) 編入する市町村の特別職の職員は在任し、編入される(消滅する)市町村の特別職の職員は全員失職する。
一般の職員 合併関係市町村の職員は全員失職するが、全員合併市町村に引き継がれる。 編入する市町村の職員は在任し、編入される(消滅する)市町村の職員は全員編入する市町村に引き継がれる。
条例・規則 合併関係市町村の条例・規則は全て失効する。(新たに制定する。) 編入する市町村の条例・規則を適用する。(合併に伴い必要な改正を行う。)
注:この色のところは、編集部が村上・岩船郡7市町村に関わりが深いと思い、特記しました。



『市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)』(昭和40年法律6号)の概要
特に村上市・岩船郡7市町村に関りの深いと思われるもの
趣 旨
(第1条)
 市町村行政の広域化の要請に対処し、自主的な市町村の合併を推進し、あわせて合併市町村の建設に資することを目的とする。

合併協議会
(第3条)
 合併をしようとする市町村は、合併の是非を含め、市町村建設計画の作成やその他合併に関する協議を行うための協議会を設置する。
 合併協議会の会長及び委員は、関係市町村の議会の議員、長、その他の職員、学識経験者の中から選任する。このほか、委員については、請求代表者又は同一請求代表者を加えることができる。

市町村建設計画
(第5条)
 合併市町村がハード・ソフト両面の施策を総合的かつ効果的に推進するため、合併市町村、都道府県が実施する事業等を内容とする計画を作成する。
 また、合併市町村は、あらかじめ都道府県知事に協議し、議会の議決を経て、計画を変更することができる。
 なお、住民発議により設置された合併協議会においては、市町村建設計画の作成等の状況を、合併協議会の設置の日から6ヶ月以内に請求代表者に通知するとともに、公表しなければならない。

地域審議会
(第5条の4)
 合併前の関係市町村の協議により、旧市町村の区域ごとに、合併市町村の長の諮問により審議又は必要な事項につき意見を述べる審議会(地域審議会)を置くことができる。

一部事務組合等に関する特例
(第9条の2)
 一部事務組合又は広域連合の構成団体のうち一団体以外のすべての市町村が、新設合併又は編入されることにより廃止される場合には、関係地方公共団体の協議による規約の改正等によって、合併後も当該一部事務組合又は広域連合が存続することができる。

地方税に関する特例
(第10条)
 合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5年度に限り、課税をしないこと又は不均一の課税をすることができる。
 合併により新たに人口30万以上の市となった場合における当該市に対する事業所税の課税団体の指定は合併の日から起算して5年間は行わないものとする。ただし、合併市の人口が、30万を合併関係市町村の人口のうち最も多いもので除して得た数値に、合併市町村の人口を乗じて得た人口以上となった場合はこの限りでないものとする。

地方交付税の額の算定の特例
(第11条)
  合併が行われた日の属する年度及びこれに続く10年度について、合併関係市町村が合併しなかった場合と同様に算定し、その後5年度については段階的に増加額を縮減する。

地方債の特例等
(第11条の2)
(1) 市町村建設計画に基づく次の事業又は基金の積立てで特に必要と認められるものは、合併が行われた日の属する年度及びこれに続く10年度に限り、地方債を充当でき、元利償還金の一部は、基準財政需要額に算入する。
 1) 一体性の速やかな確立・均衡のある発展のための公共的施設の整備事業等
 2) 地域住民の連帯の強化・旧市町村の区域の地域振興等のための基金の積立て

(2) 「市町村建設計画」を達成するための事業に要する経費に充当する地方債について特別の配慮をする。

都道府県の議会の議員の選挙区に関する特例
(第15条)
 一定期間に限り、従前の選挙区によるか、または合併市町村が従前に属していた郡市の区域を合わせて一選挙区を設けることができる。

市町村の合併があった場合の特例
(過疎法第33条第2項)
 過疎地域の市町村を含む合併があった場合には、合併市町村が過疎地域に該当しない場合であっても、合併市町村のうち旧過疎地域のみを過疎地域とみなして、過疎法上の措置をすべて適用する。


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