リレー随筆「鮭っ子物語」  No.16

 「新潟市から
      県北を眺めて」


 赤見氏からの突然の電話で、村上広域情報誌にサッカーについて何か書いてくれとのことであるが、村上・岩船がサッカーとどのように関わっているのか小生には判らない。確かに今年は日本列島北から南までサッカーの狂騒に沸いた。新潟市もワールドカップ開催地として種々の外国人、日本人サポーターで賑わい、また、スタジアム「ビックスワン」の新設等に36億円(日銀新潟支社予測)とも言われる経済効果をもたらしたが、県北発展にはどの程度寄与したかは一寸判らない。

 そこで赤見氏の依頼に添えないが最近の村上・岩船に状況について仄聞ながら若干紹介してみたい。

 県北部の自動車専用道路ネットワークを形成する日本海東北自動車道(日東道)が今春新潟市から新発田市まで伸び、秋には中条町まで開通する。その先村上市までは、現在設計協議・用地買収交渉中であり、ここ1〜2年のうちに開通する見通しであり、県都新潟市から30分位で村上市へ行かれるとともに、関東圏・関西圏とも繋がり県北がより近いものとなり、いろいろな面においてその波及効果は計り知れないものがある。また、中条町桃崎浜から山北町勝木間の海岸を縦走する国道345号線いわゆる日本海夕陽ラインから眺める夕陽・景観の素晴らしさは日本一ではないかと思われる。帰省の折り等縦走することをお勧めする。

 村上市では2〜3年前から村上町屋商人会(若手商店主の集まり)が中心となり村上の文化・その良さを大勢の人に見てもらうことにより町全体を元気にしていこうと始めたイベント「町屋の人形さま巡り」(3月上旬〜4月上旬)を開催している。町屋の各家で大切に守られてきた雛人形、5月人形、土人形等をそれぞれの町屋に飾られ、そこに住んで居る方々にその由来等聴きながら見ることができる。県都新潟市からも大勢の人が訪れ、その数3万人〜5万人とも言われ、秋の「屏風祭り」とともに村上の新たな風物詩となっている。

 神林村には国道7号線沿いに緑と水をイメージした道の駅「穂波の里」がある。物産館には村特産の木工製品、農産物加工品や土産物等を展示販売している。また、伝統的な日本家屋、村上藩の旧家「尾崎邸」を再現したレストランもある。

 朝日村には、新潟県では最初のアーチ式コンクリートダムが奥三面に13年完成し、新たな観光拠点として発展が期待されている。惜しむらくは古代遺跡のある奥三面部落が水没してしまったことである。

 山北町、ここは紹介するまでもなく日本一の景勝地「笹川流れ」「日本国」に代表される豊かな自然がある。しな織り、焼杉に受け継がれた伝統技術や釣り、民宿独自の干物作りなどの体験ができ、都会ではできない思い出づくりとなる。

 他の町村については、またの機会としたいが、それにしても瀬波や海府の海岸から見る夕陽の素晴らしさは他に類を見ない、これを生かしたイベントを催すべきではないかと前々からの小生の持論である。ただ、新潟市では数年前から「夕陽コンサート」を夏の一夕浜辺で始め、先を越されてしまった。




リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)



宝田 耕次

(ほうだ こうじ)

村上小学校卒業(昭和25年3月)
元新潟県庁勤務








町屋の人形さま巡り



道の駅 穂波の里



奥三面ダム



シナ織り




次回予告
本間 次郎(ほんまじろう)
昭和25年3月 八幡村立(現・山北町)八幡小学校卒業

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