吉川真嗣・美貴の二人旅 No.13
あんずの里
長野県更埴市
4月は日本列島各地区に優しく淡い花々が開き、人々の心をうららかに魅了する月である。山並みに目を向けても、穏やかで初々しいピンクの山桜と新緑のやわらかな黄緑とが、夢見るようなコントラストを作り出し、川縁にも雪柳の純白が映える。
その緑やピンクも、日を追うごとに色を重ね、次第に力強い濃い色へと変化する。1日1日の微妙だが確実なこの変化が、私にはこの季節の1番の魅力に感じる。
さてこの度の「小さな旅」は長野県は更埴市のあんずの里である。今年は残念ながら日本全体の異常気象ともいえる温かさで、随分前倒しとなり、既に終ってしまったが、例年は毎年4月10日頃から開花し、10日間くらい楽しめるという、あんず群である。森・倉科地区に見渡す限り10万本という数である。
桜は勿論、桃もともかく、しかしあんずの花と言われて、皆さん細かいところまでそのお花を思い浮かべられるだろうか。かく言う私も今年生まれて初めて、まじまじと細やかに観察させて頂いた次第である。
ぱっと見た瞬間、「まあ、愛子さまみたい。」と思った私であるが、桜ほどの少女から大人の風情でもなく、桃の童女っぽさとも異なる愛らしさで、花弁の赤い色が印象に残るせいか、まさに生まれたての女の子を連想させるあんずである。これが10万本というと、どういう景観を織り成すことか。
ところで昔から、桜の花の下ではそんなことはないが、桃の花の下では覚ると言う。それぞれの花のオーラか、はたまた花からのメッセージか。とすれば、あんずや如何に?来年は是非この時期をご記憶の上、更埴市へお出かけを。
更埴市へお出かけの節は、稲荷山土蔵群といって、古い町並みを残す地区があるので、そちらへも是非一足お伸ばしを。
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いまだ知られていない町並みが残っている |
おすすめ食事処
会津名産
本ぼうだら煮
にしん山椒漬
福島県会津若松市相生町
Tel 0242-22-2274 |
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大きな蔵が目立つ町並み |
上菓子司 会津葵 |
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