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歳をとったのかなあ。事実、そう若くはないが…。 加齢とともに、思うは故郷のこと。 まして、先ごろ、小和田家発祥の地ということで、皇太子妃雅子さまに内親王誕生で、オシャギリの引回しがあった。 その様子が、テレビ放映を見た途端、感涙に咽ぶ自分があった。 何故なんだろう? 村上で生まれ、村上で育った村上っ子なら誰しもが思うのは、オシャギリとイヨボヤのことは、脳裏から離れないといっても過言ではあるまい。そう、祭りの来るのを指折り数え、いつかいつかと気を揉んでいたほど、祭り大好き男だったしなあ。 ところで、四季折々に、山海の珍味を食する事の出来る、幸せを味わえるのも村上ならではのこと。 そうだ、春まだ浅いころは古川で鮒釣り、春には門前川でウグイを、夏は言わずもがな三面川で鮎を追いかけ、秋ともなれば、三面川河口でのハゼつりだ。 「浦島さん、鮎をいっぱい捕ってコイッシャ」とよく父親に揶揄されもした。 海の川も大好きだった。 そして、冬、イヨボヤだ。 子どものころ、空き缶を持って、船から運び出されるイヨボヤから、こぼれ落ちるハラコを、一粒一粒拾って歩いたあのころのことが、鮮明に浮かんでくる。 何が何でも、村上っ子なんだな。 仕事がら、取材等でいろいろな分野の人と会う機会が多い。 そこで必ず尋ねられることがある。 「もしかして、新潟の北の方の出身?」 もしかしても、へったくれもない。 臆することは、全然ない。 「そうです!村上です」と、胸を張って答えます。村上を誇りに思っているものな。 何年経とうとも、村上弁のイントネーションは、修正不可能なのかも知れない。なかにはショウズン語を話す人の多いが…。 それほどまでに村上を懐かしみ、村上を愛してやまないのだ。 同僚いわく、「ほんとうに、村上のことが頭から抜けないんだなあ」と。 今時、自分は希少価値なのか。そういう人がいてもイイネッカ。
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