話題の情報 更新H14.3.17

シンポジュウム

  まちなみ・ひとなみ・まちづくり
    村上の未来を語る会



 長い歴史の中で、まちは生れ、成長し、幾たびかの変化や更新を繰り返してきました。そして、過去と現在が混じり混在しているのが現代の町並みなのです。
 この村上も例外ではなく、むしろ、この過去と現在が混在しながら、かろうじて調和を保っているのが村上であり、この「混在」が村上らしさを醸し出している要因の1つなのかもしれません。
 また、その町並みを新しくしたい、あるいは古い町並みを保存活用したいと思うことも、この村上に古いものと新しいものが混在しているからこそ派生してきたのではないでしょうか。
 でも、その2つの意見や考え方の是非は別としても、まちは生き続けます。そして村上というまちに過去があり、現在があるのであれば、当然未来もあるはずです。そして現在を生きる私たちには、この村上をどのような姿で未来に引き継ぐべきなのかという責任もあるはずです。

 私たちは村上というまちの、そう遠くない未来をどのように考えたらいいんでしょうか。
20歳から30歳代、40歳から50歳代の人たちにとっての未来の村上、そして60歳から70歳代、さらに70歳以上の人たちにとっての未来の村上は・・・、年齢が異なるように、村上の未来に描く姿も形も、違ったものになるかもしれません。

何かを求める形で、私たちのまち・村上の未来を考えてみたいと思います。その試みとして、下記の予定により、村上の未来を語る会を企画いたしました。市民の皆様のご意見ご発言も数多く頂きたいと思っております。開催趣旨にご賛同の上、多数ご参加くださいますようお願い申上げます。
                                  (チラシより)


日時:平成14年3月10日
    午後1時30分より
場所:クリエート村上(村上市役所脇)
主催:越後・村上・城下町・まちなみの会
問合せ:村上市郷土資料館
      0254-52-1347(桑原)

パネルディスカッション


パネラー 
 西村 幸夫氏
  東京大学教授

 篠田 昭氏
  新潟日報社論説委員

 米山淳一氏
  (財)日本ナショナルトラスト事業課長

司会進行 
  岡崎 篤行氏
    新潟大学助教授







今後の村上市に想定される事柄
以下は、あくまでも、今後想定されるであろう事柄を記載しました。参考になればと思います。
想定1  2004年
 広域合併で大幅な事業費増
 
広域合併のため、庁舎建設・地域文化保存会館などで大幅な事業費の拡大が見込まれている。これらには有利な補助金が用意されているので、公共事業による景気浮揚対策の一環として行うことができる。しかし合併対策事業費以外は大きく削減されるだろう。そのため、多くの既存計画の実行は厳しくなる。
想定2  2005年〜
 新生村上市誕生
人口8万人の市が誕生する。新庁舎もでき、7人いた首長は1人になる。その後、議会議員選挙も行われ、スリム化した市が動き始める。
しかし、高齢化の波は大きく押し寄せてくる。
想定3  2015年
 高齢化による介護保険対策に事業費増
 
団塊の世代がいよいよ高齢者となってくる。かって経験したことのない高齢化社会を迎える。介護保険、老人医療費などにほとんどの事業費を使い、それ以外の事業費は削減の一途をたどるだろう。

想定4  2050年 
 人口減の影響
 
団塊の世代はこの世を去り、ようやく落ち着いた状態がくる。しかし人口減は商店街を襲い、瀕死の状態。さらに買い物のほとんどは、インターネットテレビで行い、自宅まで配達が当たり前のご時世となる。
高齢化の状況は相変わらず続いている。税収をどこに求めたらいいのか・・・
交流人口の増加だけが救いとなる。
さらに大きな合併が必要となってくる。
村上新聞 平成14年3月17日号 記事より

 越後村上・まちなみの会(長谷川勲会長)では10日、どのような姿で村上を引き継いでいくのかを考えようと「村上の未来を語る会」を開催した。村上市の財産である「お城・武家町・町屋・寺町」の4点セットの町並みに焦点を当て、市の消費者協会会員や観光ボランティア、村上城跡保存育英会など約60人が未来の村上に思いを語った。

 会に先立ち、日本が経済成長を遂げた団塊の世代があと10年で高齢者の仲間入りをすることを示すスライドが上映され、村上市の65歳以上の高齢化率が平成17年には25,4%、平成37年には30,7%になると推定されると発表、村上市の財源は交流人口の増加によってのみ可能なのではと結んだ。

 新潟大学の岡崎篤行助教授の司会で進められたパネルディスカッションでは、パネラーの東京大学の西村幸夫教授が12年前より武家屋敷保存などの調査で村上を訪ねており、確実に変化した現在の町づくりを称賛した。
 西村氏は「村上はいろいろなアイディアで前に進んでいる。今年の黒塀プロジェクトも、仮設したことで実現に向けた方向が見えてくると思う」とし、これまで村上が実行したことをさらに肉付けし、計画を詰めるのが今後の50年ではと述べた。

 また、新潟日報社論説委員の篠田昭氏は県内の町づくりを紹介し、地域づくりのパターン分類をしたうえで、「町屋の人形さま巡り」などのお金をかけずに現在のもので効果をもたらす方法を“村上型”と呼ばれるのでは」と推測した。

 東京都の(財)日本ナショナルトラストの米山淳一事業課長は、平成14年度に村上市の町屋が観光資源の保護調査対象になる旨を明らかにし、実際に“人形さま巡り”をした感想を「本物で勝負している町だ」と話していた。
                    記事協力:村上新聞社

パネルディスカッション風景



手前 西村教授・奥 岡崎助教授



手前 米山氏・奥 篠田氏


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