http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2016年3月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.177



越後むらかみ 食の聞書(春夏編) 



板垣昭彦
(いたがき あきひこ)
昭和33年3月21日新潟県村上市石原生まれ
昭和51年3月県立村上桜ヶ丘高校卒業(商業科7回生)
昭和51年4月村上商工会議所採用
平成19年11月村上商工会議所専務理事就任







筆者






越後むらかみ 食の聞書〝春夏編〟






越後むらかみ 食の聞書(ききしょ)
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村上の歳時記
平成25年12月、「『和食』日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録!というニュースを耳にしました。翌月のむらかみ商工会議所ニュース新年号の「年頭あいさつ」には、「ユネスコが和食を無形文化遺産に登録したことを契機に、村上が誇る鮭料理を発信・支援していきたいと考えています。」と掲載しました。まさに期待と書いたからには実行するという決意でもありました。

村上商工会議所では平成26年度に、「食の街・むらかみブランド化事業委員会」を立ち上げました。委員には、日本食や洋食の料理人や酒屋、米屋、八百屋、村上茶、鮭加工品店など食に携わる若手の方々を絞り込み、コーディネーターとして新潟市在住の村上市出身者である料理研究家の木村正晃氏にお願いし、活動を始めました。

いろいろと意見を交わす中で、村上らしい伝統的な食文化とはなんだろうと、行き着いたのが「いつのまにか忘れられている行事食」でした。そして一人の料理人が「私は〝村上の歳時記〟で季節を感じながら自分の料理を考えている」とも言ったのでした。

「村上の歳時記」とは、むらかみ商工会議所ニュースに昭和57年から平成19年まで25年間毎月掲載されてきた、村上の行事や衣食住、子供たち、町の出来事、お祭り、人々の様子を自身の思い出と聞いたり調べた300話を一冊の本にされた、矢部キヨさんのものでした。なんと、委員メンバーに矢部キヨさんのお孫さんがおられたり、私自身が当時の商工会議所ニュースの担当をしていたのに「灯台下暗し」ともいえる一幕でした。

誰に向けて発信するのか、観光客など外に向けて発信するのは当然だけど、大事なのは村上に住んでいる人に伝えなければ残らない。絶えてしまうということ。であればネットよりも紙媒体、そして分厚い本よりは数ページの冊子、写真は古くなるのでイラストで。などなど、どんどん進んでいく。

平成27年2月に「越後むらかみ 食の聞書(ききしょ)」第一弾が完成し発刊しました。師走の「年とり膳」から毎月の行事食を掲載した僅か16ページの小冊子です。そして、このたび平成28年3月に第二弾として、やはり16ページの「越後むらかみ 食の聞書〝春夏編〟」を発刊しました。大切にしていただける方に無料で配付させていただくものです。日々の生活から遠くなった行事や村上の食文化をもっと「聞いて」「聞かせて」ください。

かかわっていただきました委員の皆さまと、引き続きコーディネーターとしてお願いした木村正晃様、何よりも参考文献として「村上の歳時記」を残してくださった矢部キヨ様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

この活動もひとつのきっかけで、和食の世界無形文化遺産登録にかかわっておられた日本料理アカデミー理事長・京都菊乃井の村田吉弘氏、世界で活躍している村上市うんめもん大使でアル・ケッチァーノ オーナーシェフの奥田政行氏、同じく村上市うんめもん大使の木村正晃氏による、「食のおもてなし講座」を2月6日に村上市教育情報センターのホール200席を満席にして開催することができました。関係していただいた皆さまに感謝申し上げます。

村上は、まだまだやれることがたくさんあります。
「やっぱり村上はいいね。」
そんな町になることを願いながら、書かせていただきました。
ありがとうございます。

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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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