2015年8月号 | ||||||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.170 |
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幸 運 爺 |
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人生はたまたまの事で、大きく曲がるものであります。平成21年6月14日、血液型B型の「衝動買い」で「歌声・村上」は呱々の声をあげることになりました。村上高校の後輩が「粟島、歌島」というイベントで、島を活気付けようとしていたのが刺激になりました。 書道や美術は経費がかかる、「音楽」は資本はいらない、たわいもない理由で大場先生の「音楽」を選択した少年は、楽譜も読めず、歌は「ヘ単調」なのです。それなのに「歌声・村上」の代表になりました。これは、大罪なのであります。 この被疑者をかばってくれるのが二人、得体の知れないほど奥がある安沢孝雄さん、家業のため大手の管理職を放棄した鈴木健一さん、右に左によろめく八十二歳を必死で支え続けています。 当初、「短歌・村上」と勘違いした友人がそれと分かると、きまったように「お前の歌は聞いたことがないぞ」と呆れておったものです。 その「無謀」を消去して下さるのが、「生伴奏の西坂・滝波・高橋」さん、「歌唱リーダーの板垣・阿部・大滝・中山」さん、この存在が「日高さとみ師範」の「村上の人は温かい」の水源になりました。 自然で笑いの絶えない「歌声・村上」は、「お暇なら来てよね」の自由参加で平均130名の中高年が、子や孫にも見せないような顔をして「人生ってぇ-、楽しいものですねぇ-」と陶酔して歌っています。 安沢さんの提案で時々大和田愛羅の「汽車」、鶴見正夫の「あめふりくまのこ」で先人を偲びます。戦後しばらく村上高校で教鞭をとられた鶴見先生のポマードで頭髪を整えられた姿が過ります。 「歌」に自分の人生を重ね合わせていることも多いですから、涙を浮かべている参加者を見かけます。「ああ、上野駅」「あの素晴らしい愛をもう一度」「忘れな草をあなたに」・・には、そっと目を伏せる女性がおられました。八月の「千の風になって」は一際感情が籠もっているのが伝わります。 あの頃が眼の前に描かれるのは「高校三年生」「青い山脈」がダントツ、「青春の城下町」は完全に「村上の歌」に育ちました。 気温33度、はたして「5,000」人の花束を感謝の思いで渡すことが出来るかと檻の中の熊のように、うろうろしていましたが・・・。開演二十分前頃から、女、女、女、女、男、女、女、女、女、また女、来た!男、川の流れのように・・・続きまして147人の入場になった7月12日、「第51回、歌声・村上」でありました。 全員が「音楽」は60点だったという戦後の音痴代表が、こともあろうに「歌声・村上」、これは「幸運爺」であります。市民と一緒に「今日の歌声」「明日の活力」を掲げながら、村上市教育情報センターをお借りできる幸せにも深く感謝して、ペンを置かせていただきます。「今日の日はさようなら」です。 |
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