http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2015年12月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.174



「ハーモニーの輪が浮び上がった!」



田所 和子
(たどころ かずこ)
昭和40年村上高校卒
昭和44年昭和女子大学卒
藤沢市立中学校前英語講師



筆者・前川さん・奥村さん(三味線)
・日高さん(箏)



前川さん・奥村さん(三味線)



歌声・村上



日高さとみさん



奥村さんと日高さん
(小池 和さん宅)



前川さんと筆者(右)

今年の10月11日(日)に私達「東京村上市郷友会」(赤見市郎会長)の音楽を愛するメンバーが、今年も「歌声・村上」(代表:阿部昌彦氏、世話役:安沢孝雄氏)の10月例会にゲストとして招かれました。出演者は昨年多くのファンが生まれた筝曲師範でプロ奏者の日高さとみさん、初参加の三味線小唄のお師匠さん奥村初穂(多美子)さんと小唄の前川満壽美さん、そして声楽愛好家の私の四人。「郷友会」副会長平原さんの車で前日に村上到着。
当日、すでに会場は“歌うのが大好き”な方々でいっぱい。なんと「歌声・村上」が始まって以来の196名の来場者とのこと。嬉しい満員御礼でした。懐かしいお顔も見えました。
一部は日高さとみさんによる「筝独奏」。
新年を寿ぐ折に耳にする名曲“春の海”。次に現代筝曲で、つぎつぎと花の華やかさを連想させる“花織り”そして“月の砂漠”。指先から次々と醸し出される音の流れに酔いしれた優雅なひと時でした。会場の皆さんもうっとり。
二部は奥村さん、前川さんの‘お夏(清三郎)’。そしてアポロ打ち上げという宇宙の題材が小唄に? と興味を沸かせる“青い地球”、“月とアポロ”。最後は奥村さんの独擅場(どくせんじょう) “曽根崎心中”。生で最後までゆっくり聞いたのは初めてでした。物語はしっとり、時には激しくも切ない響きが古典と呼ばれる所以でしょうか。いいものですね。
三部は私の独唱。オペラ プッチーニ作より”私のおとうさん“と、石川啄木「一握の砂」より”初恋“の二曲。伴奏は村上のピアノ教師鈴木典子さんが引き受けて下さいました。

終りに近づき、筝、三味線、ピアノと珍しいコラボレーションで会場のみなさんとご一緒に“花は咲く”を歌いました。すると、なんと!!今まで指揮をした中で、初めての体験ですが… 前方中央付近から“ポワーッと天使の輪のように”ハーモニーの輪“が大きく浮かび上がってきたのです。心地良い輪が確かに見えたのです。“歌うことが何よりも好き”という方々の心から湧き出た音ですね。感激でした。

その夕は、宿を提供して下さった奥村さんのお姉さんの小池 和さん宅(下相川)に席を移し、ご親戚の前でミニコンサート。これこそ田舎の醍醐味でしょうか。20数名のご親戚縁者が集まり、演奏は勿論、歌と美味しいお酒(なんと大吟醸!)、懐かしい故郷の味の数々。大変な“おもてなし”でした。佐藤 度、富士子ご夫妻のお心遣いには頭が下がります。

今年も故郷の皆さんにお目にかかり、村上の舞台に上がれたというのは、大変光栄なことで感謝の気持ちで一杯です。また懐かしい同級生、知人も多数来て下さいました。有難いですね。ご尽力くださいました、阿部先生、安沢さんには心から御礼申し上げます。
こんな素敵な思い出を胸に、私たちはまた平原さんの車に乗せて頂き、車中ワイワイ賑かに東京に戻りました。 村上の優しさと、秋をいっぱい体に吸い込んだ楽しい旅でした。
岩船新聞社、そして村上新聞社には写真入りで記事を載せて頂き、御礼申し上げます。

「歌声・村上」がますます発展されますように、そして「東京村上市郷友会」の輪がもっと大きくなりますようにと願って、筆をおきます。        (神奈川県藤沢市在住)

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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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