http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2013年11月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.149


「故郷に感謝」


菊地 秀雄
(きくち ひでお)
昭和31年村上小学校卒業
昭和37年村上高校卒業
埼玉県ふじみ野市在住
職業 税理士(東京会豊島支部)






2013.7.7村上大祭にて





2013.7.7村上大祭にて






2013.7.8 恩師沼 秀先生を囲んで
右から2人目筆者
 私の心の風景は羽越線の隣にあった木橋の真ん中から眺める景色、左右に下渡山とお城山そして三面川の中央に聳える雄大な鷲ケ巣山。
 昭和25年11月父が鍛冶町で洋品店を開業する為、私達は小学校1年の時に旧栃尾市から引越をしてきた。当時はTVのない中、多彩なイベントが繰り広げる鍛冶町で子供達が行う2月の初午・7月の地蔵様が楽しい思い出として残る。
 第一ベビーブームの四年前、昭和18年生まれの私達も子沢山で小学校時代は、一クラス60名で7クラスあった。当時は町内意識が強く町内ごとの遊び場が決まっていた。鍛治町場所は、晴天時は中学校寄りのグランドで桜の木、雨天は第一体育館の左側にあった便所の隣、三面川は七番と決められていた。いま思うと男子だけの遊び場だったのだろうか。
 高校生になると強制的に青年団(15歳~24歳?)へ仲間入り。儒教の教えが色濃く残っていた時代に、親からではなく先輩達から目上の人に対する言動を厳しく教え込まれた。青年団が取り仕切る七夕祭も同様で、笛や太鼓そして獅子舞は楽譜といった類はなく、伝承された技を先輩から手解きを受けた。大人への仲間入りで必然的に酒も少々、さすがタバコを勧める先輩はいなかった。
 (今年の出来事・・)
 私達は、ここ関東で同期会(新年会)を毎年開催している、名称は「ゆーかり会」。参加者は幼稚園から高校まで同じ空気を吸った村上の仲間(昭和17年~19年生まれの同期)、今年は東京ガーデンパレスホテルで開催した。中締めの頃合いになると決まって流れるのが村上盆歌、(会員数は70名)。
 今年の村上大祭は御遷座380年大祭と特別な節目とあって、地元の有志が故郷を離れた我々の為に町屋で村上大祭を祝う会を企画してくれた。高校を卒業して50年も経過した我々、タイ国・北海道~関西と各方面に散らばった同期生が村上に結集した。駅前に降り立ち、威勢のいい若者の曳き歌に、忘れかけていた血が騒ぎ始めた。
昼食は料亭吉源で、鏡割り後に某テレビ局のTVカメラが突入、この12月に村上大祭の一部として全国放映される予定とか。
 夕方は、町屋の軒先越しに繰り広げる各町内の“おしゃぎり“を見物。友が持ち寄ってくれた故郷の祭料理と鮎・カジカの串焼きを肴に仲間達と故郷の酒を楽しんだ。
 翌日は富樫早智子さんの案内で、小学校の恩師沼秀先生(二之町在住)宅を表敬訪問、85歳とは思えない若々しさで歓迎して頂き目頭が熱くなる。
私達が学んだ時は25歳という初々しい女子先生だったのだ。
 風光明媚な県北の地“村上”に育てて貰ったことに心から感謝し誇りに思っている。 

リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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