2011年6月号 | ||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.120 |
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私の原点 |
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私は現在、東京都内にある郵便局に勤務しています。年に2回は帰省をしていますが、帰るたびに少しずつ見慣れた風景が変わっていくのを寂しく感じています。 そんな私の思い出話に、少しお付き合いください。 私は朝日村の奥の奥、村上市内から車で30分はかかる山の中で育ちました。 少子高齢化が進み、同級生は5人。全校生徒で100人に満たない小さな集落です。 しかし、人々は穏やかで地域全体がまるで家族のような温かさがありました。 自然も豊かで、毎日飽きることなく外で遊んでいました。 春はよく、家族で山菜取りに出かけました。 ゼンマイやワラビ、フキノトウやただの雑草にしか見えないヨモギでさえ美味しい料理が作れる。あばあちゃんの知恵袋は素晴らしいです。 夏は川で泳ぎ、虫を捕まえ、日焼けなんて気にせず真っ黒になるまで走り回っていました。 今思えば、あのころ少しでも気にしていれば、そばかすのない綺麗なお肌だったかもしれない・・・と。後悔先に立たず。 それに、今は虫を見るのも嫌。触るなんてもってのほか。子供のころは気持ち悪いなんて思いもしなかったのに、いつから変わってしまうのでしょう。 秋には色とりどりの紅葉に囲まれて栗拾い。落ち葉を集めて焼き芋。食欲の秋という言葉に合わせたかのように、美味しいものに囲まれていました。 小学校の高学年のころに、自分たちで田植えをし、稲刈りをするという授業がありました。 お米を育てる大変さ、農家の皆さんの愛情がお米一粒一粒に詰まっていることを感じ、大好きなお米がより大好きになりました。 冬はもちろん雪の積もった畑で雪だるまを作り、かまくらを作り、雪合戦。寒さも感じず遊んでいました。 いたずらをして怒られたときに雪の中に放り投げられたことも、いい思い出です。 こんな風にのびのびと大自然の中で育ったことを、大変誇らしく思っています。 どんなに離れて暮らしていても、帰るべき故郷がある。村上ののんびりとした時間、人々が大好きです。 私はこれからも村上出身であるということに誇りを持ち、東京の喧騒の中で頑張ります。 |
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