http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
2011年1月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.115


あそびをせんとうまれけり     




羽生 雅則
(はにゅう まさのり)
和22年三条市生まれ
三条高校・武蔵美大彫刻科卒
東京三條会事務局長







乙女峠からの富士山












箱根でどじょう掬いの披露
中央が大多喜師匠左の瓢箪付が筆者


 新年あけましておめでとうございます。
このめでたき日に、東京村上市郷友会会長赤見さんより随筆を依頼された事は誠に光栄であります。
 私は三条市の生まれで、金物特に刃物(包丁,鋏、鋸,鑿等)が有名です。
小学校の帰り道、鍛冶職人が足でフイゴを動かし、真赤な鉄を金床の上で、火花を散らし、自在に鍛えている様子や、鋸の目立て職人のヤスリの動きなど飽かずに眺めていました。家の周辺では電動ハンマー、大型プレス機、グラインダーの音が 早朝から夜遅く迄 地響きと共に聞こえてきました。道路や家屋は赤錆色に染まり古色めいて、鍛冶の町の雰囲気が漂っていました。
 六角の凧合戦は5月の薫風の中、土手を大人達が全力疾走して引張り揚げる様は勇壮で怒声が飛交う光景は恐ろしく、遠くで固唾を飲んで見ているだけでした。凧糸が切られキリモミ状態で五十嵐川に落下し、武者絵は破れ無残にも糸と竹の骨になった姿は哀れというほかありません。少年時代の思い出です。
 さて村上市の初訪問は32年前の夏、5歳の息子と笹川流れに行った時です。
軒が連なる路地を抜けると、眼前に広がるコバルトブルーの海と岩々の景観はあまりにも美しく、映画のセットかと目を疑う程でした。潜ったら岩ガキが取れ民宿でフライにして貰いました。身が大きく濃厚な味で初めての夏の味覚に感激しました。以後 瀬波温泉、イヨボヤ会館、荒川沖での釣り、おしゃぎり会館等数回訪れました。屋台山車が実際に町内を巡行してゆく祭りを 是非一度体験したいと思っています。昨年の5月8日の村上市郷友会の総会・懇親会の時の事です。アトラクションで大多喜勝氏と永井絢子さんとのどじょう掬いに衝撃を受けました。以前から興味があったので早速「笑倶楽部・たんざわ」に入門しました。見るとするとは大違いで、月2回横浜~秦野まで通っていますが中々上達しません。12月に倶楽部の忘年会を兼ねて、箱根の温泉旅館で新人の踊りをお客様の前で披露するのが恒例なのだと言われ、半月程こっそり練習をしましたが、当日は心臓バクバク,膝はガクガクで気が付けば終わっていました。下手な程面白く受けるのよ、といわれてもね~。これで度胸がついたのは確かです。お師匠さん今年も気張ります。よろしくお願い致します。
 三面川の鮎・鮭を食べる会が開催される事は、いかに村上市民の方々が自然を大切に守り続け、日々努力を重ねてこられた証です。羨ましい限りです。
鮭っ子・酒っ子・情けっ子。村上もんになって堪能させて頂きました。
 ふるさとを離れて幾星霜、いつしか記憶が薄れてきましたが、正座して
いくらの醤油漬け・氷頭なます・昆布巻き・のっぺ汁と郷土のお酒を頂きながら、遠いふるさとに想いを馳せて、今年は卯年、飛躍の年でありますよう、村上市と三条市に共に一層の繁栄がありますよう、多幸・多幸揚がれ~~。
ながきよのとおのねぶりのみなめざめなみのりぶねのおとのよきかな。
皆様 良き初夢を!

リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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次回予告
安富 成良
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