村上広域情報誌2001 リレー随筆「鮭っ子物語」

2010年2月号

　　リレー随筆 「鮭っ子物語」　 No．104

『縁あって』

本間　茂
（ほんま　しげる）

挫けちゃならない人生が、あの日、村上（ここから）始まった。昭和18年2月村上庄内町に生まれ二歳で母と死（わかれ）、九歳で父とも死（わかれ）、十一歳で故郷と別（わかれ）、現在に至る。

中曽根先生
高崎・陣屋（昭和54年）

北島三郎さん
（昭和56年）

　お互いに縁あってこの世に生れてきた。
そして、縁あって色々の人と繋がりを持っている。
縁あって－ー何だか古めかしい言葉のようだけど、そこにはまた一つの深い味わいが潜んでいるように思える。
人と人との繋がりというものは、とかく人間の個人的な意志でできたと思い易いもので、だから、またこの繋がりは、自分一人の考えで何時でも断っているかのように無造作に考えやすい。
だが、本当はそうではない。
人と人との繋がりには実は、人間のいわゆる個人的な意思や希望を越えた一つの深い縁の力が働いているのである。男女の縁もまた同じ。
そうとすればお互いに、この世における人と人との繋がりを、そう少し大事にしてみたい。もう少し有り難く考えたい。
不平や不満で心を暗くする前に縁のあった事を謙虚に喜び合い、その喜びの心で誠意と熱意を持って、お互いの繋がりをさらに強めていきたい。
そこから暗黒をも光明に変えるぐらいの力強い働きが生れて来る。

リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。　（編集部）

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