2005年10月号 | |||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.53 |
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「米沢街道撞木の会」でふるさとを楽しむ | |||||||
“ふるさとは遠くにありて、思うもの”といいますが、ただ単に懐かしがってばかりではいられません。何らかのかかわりをもち、場合によっては直接ふるさとを担う喜びを味わいたいと思うのが、ほんとうのふるさと人です。 「鮭っ子物語」の鮭は村上の三面川が本家のようですが、私のふるさと関川村の荒川にも鮭は上ってきます。荒川は全国屈指の清流で、カジカ、ウグイ、アユなどがたくさん捕れます。また、重要文化財渡邉邸、佐藤邸、県指定文化財津野邸等が並ぶ米沢街道の町並みは、全国的に見ても第一級品といえます。 18年前、(財)日本ナショナルトラストの観光資源保護のため東大等の先生や大学院生等が地元の協力を得て、約1年かけて町並み調査を行い、、「撞木造り※の町並と米沢街道」〜新潟県関川村の村づくり〜という報告書を刊行しました(昭和63年3月)。この報告会が行われた時、私も駆けつけ交流会にも参加したことを覚えています。その後、道の駅やせきかわ歴史とみちの館の建築、水路の復活等の様々な取組みが進められてきましたが、残念ながらこの町並みの一角は建替えられたり壊されたりといった改変がなされました。関川と同時期に調査がなされた飛騨古川は、その後地元の努力で観光地として脚光を浴びるようになりましたが、我が関川は、その歴史的価値にもかかわらず村人の町並み保存に対する関心が、今一歩十分ではなかったように思われます。 全国的な市町村合併の流れにもかかわらず、関川村は合併を選択せず自立の村づくりの道を歩み始めました。村の財産であるこの歴史的町並みを保存し、村の象徴として大切にすることにより、滞在型の観光客を呼び込み、住民はもとより関川村に愛着をもつ全ての方々も村づくりに取り組めるような仕掛けが必要です。 関川には、えちごせきかわ温泉郷(高瀬温泉、湯沢温泉、雲母温泉、鷹の巣温泉、桂の関温泉「ゆーむ」)で温泉を楽しみ、清流荒川で遊び、歴史的町並みで文化に触れるなど、魅力的な観光スポットがたくさんあります。足を伸ばして村上・瀬波など複合的な観光も楽しめます。 そこで、今回(9月3日)、「米沢街道撞木の会」を地元の人達と立ち上げました。メンバーには、重要文化財等の所有者、旅館の経営者、NPOなど多彩な会員が20数名集まりました。今後は、この会を中心に、歴史的町並みや温泉、そして自然を楽しむ企画をたて、村内外の人達に楽しんでもらえたらと考えています。 ※撞木造り(しゅもくづくり)とは、間取りが仏具の鐘を打ち鳴らす棒のようなT型の平面形をもつ町屋形式をいいます。 参考ホームページ 関川村HP http://www.vill.sekikawa.niigata.jp/ 関川村村づくり基本条例 |
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