リレー随筆「鮭っ子物語」 No.33 |
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昨年村上高等学校関東支部の同窓会で赤見さんがテーブルを廻られて来て、私の胸の名札をご覧になり三之町と書いてあったのでこのリレー随筆をたのまれました。その後二三日経ってからバックナンバー二五までの文集が送られて来て、なつかしさの余りあっと云う間に読ませて頂きました。私も村上を離れ東京文京の地に住み四十数年も過ぎましたが、村上の四季折々の自然、行事、食べ物等の思いがつのりふるさとが村上である事を嬉しく思います。 毎年お盆には帰郷し七夕祭りの獅子舞とにわかを各町内ごと見てまわっております。私の子供の頃は男衆のお祭りでしたが最近は女子もまざって笛を吹いているのにはいつもおどろいております。 昨年はじめて町屋の人形さま巡りを村高の東京方面の友人四人で行きました。古い歴史のある町だけあって東京のアンティークの店に出したら相当価値があるのではと思われるおひな様もありました。その日は温海温泉へ泊まるとの事で夕方の列車に間に合う様に下車して四時間しかありませんでしたが、村上駅から小町の黒田屋さんまで巡って来ました。ひな人形をみて店の物を買い、最後の店に行くまでに手に一杯の買物をしてしまい、これはホテルに泊ったら、速急便を出さなくてはと思いながら安良町の瀬山店で村上の塩引鮭がぶらさがっているのをみるとこれも送ってもらう様にしたり、同級生の堆朱のお店に入っては東京から来たのだからと特別サービスして下さったのでこれも皆で買ってしまい、町屋の人形さま巡りは人を集め、商いにもつながるのではないかしら等を思ったりしました。 この日は村上の朝市でなくて残念でした。二七の市、月に六日開かれることから六斎市とも云います。藤基神社前からまっすぐ村上市役所の横道四百メートル先まで出店の街となり村上へ帰ると市場が実家の裏なので買物にゆきます。店のあばさん達の名前がわからないので笹ダンゴは大場沢のあねさ、野菜は下渡のあねさ、魚は岩船のメガネのあねさ等と母がいつもその様に云っていたので顔なじみになり「また来たのかねー いつまでいるのかねー」等と声をかけられ買物をするとあれもこれもと倍以上のおまけをしてくれるので何か違う国に来た様な気がする一瞬です。肴町の観音寺の仏海上人様も村上へ行った時はお参りにゆきます。日本最後の即身仏と云われており二十日が仏海様の日で母もよくお参りに行き仏海様の日に亡くなっているのでその思いは何とも云われません。 人形さま巡りの日は、春のお彼岸と云うのに夕方は猛吹雪になりました。今日一月十一日は村上地方は猛吹雪だそうです。村上の友人からの電話で知りました。そして今年も人形さま巡りをしようと友人と計画をねっております。 これからも村上地区の発展を心よりお祈りしております。
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