リレー随筆「鮭っ子物語」 No.23 | |||||||||
村上を離れ四十余年よくも生き延びてきたものと、昨年12月に第二の職場で無事定年を迎え、「親があって今日の自分があるんだなあ!」と感じ、墓前に「ありがとう」をいってきた。 言葉にあまり訛りがないので「あなたはどこの生まれか?」とこれまでによく聞かれる。「新潟県村上市です!」。いまは知らない人は少なくなったが・・・。 知っている人は「お茶が美味しいところですね」あるいは「鮭が来る川があるんですってね!」新潟の友達に勧められて酒を飲んだら、「あんな美味しいお酒は飲んだことがない」とか云われて、その都度シーズンになると送らざるを得なくなった人も結構いる。さいわい妹が村上にいることから電話で頼んでいるが・・・。 とくに数年前から「ふるさと宅急便」とかで地方の特産品が増えてきた。貰った側に希少価値観がなくなってきているのが残念である。 村上を離れて村上の特産品にこだわるのはわたしだけだろうか? 最近は早めに岩船産の「新米」を送ることに喜ばれている。お礼の言葉をもらう度に、それなりにふるさとを大切にしてきたと思う。 ところで私はお城山が大好きだ!とくに4月〜5月にかけての桜、新緑の頃が大好きだ。 思えば、親父の仕事の関係(土木出張所)で小学校四年生の頃に転校してきて三之町に住んでいた。その頃は遊び道具もなく学校帰るなり、お城山で「ターザンごっこ」や「探検ごっこ」で思う存分駆け回った。そして秋には「あけび」や「栗」を採ったりして少年時代を過ごした印象だろうか? それともお城山から一望に見渡せる村上市、日本海に注ぎ込む三面川の魅力であろうか? 最近、東京近郊にも天然温泉なるものが出てきた。近県の温泉(宿)も安く行けるようになった。そのためか温泉行く機会が増えてきた。年のせいばかりでもないようだ。しかし温泉に入っていても何か落ち着かない。 村上に帰るとすぐ瀬波温泉に飛んでいく、独りでゆったりと浸かる。時間があれば近郊の温泉を訪ねる。心を癒し、体を癒してくれるのはやはりふるさとの温泉に入ったときである。
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