吉川真嗣・美貴の二人旅  No.20

  小さな旅  〜新春をむかえて〜
  

  あけましておめでとうございます。
本年も「村上広域情報誌2001」をよろしくお願い申し上げます。

 皆様はいかがお正月をお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。新年を迎える1月というのは、年々あらたまった感じが全国的に希薄になってきているとはいうものの、それでも日本の原点に立ちかえるような光景を一番多く目にする月です。我家でもささやかながら若松と千両にストレチア等でお床を飾り、水引のかかった菊炭飾りを置くだけで、たちまち新春の馨しい息吹が部屋中にたちこめました。この雰囲気を形容詞的な単語で表現するなら「きりり」「凛とした」「清やかな」というところでしょうか。また「寿ぐ(ことほぐ)」という表現が、1年の幸・恵みを願う人々の祈りをこれほど爽やかな風合いに包み込んで響くのも、年の始めの成せる技でしょう。
日本語の音の響きの美しさを改めて感じることの多い月でもあります。

 さて一昨年からスタートしたこの「小さな旅」も、思えば身近な所で日本を意識できる場にスポットを当ててお送りしてきました。その折々で和風建築であったり、自然の景観であったり、ある老舗であったりとその土地の一つに絞って綴って参りましたが、本年も「よりクオリティの高い日本をそこはかとなく感じられる旅」をお届けしたいと思っております。ご愛読頂ければしあわせです。

   ところで私どもの村上では、「春と言えば人形さま」ということで、「第4回町屋の人形さま巡り」の準備が始まりました。全国から大勢のお客様をお迎えするのに、参加店ではこれから少しずつ人形さまモードに入ってゆきます。会期は例年どおり3月1日〜4月3日まで。普段は入ることのできない個々人の住まいである伝統的な数々の「町屋」の中までお入り頂き、その家に伝わる「人形さま」を見て巡って頂くという催しです。時期的にはお雛様の季節ですが、雛人形のみならず大黒様に布袋様、武者人形あり、大名行列のお人形あり、また素朴な味わいの土人形、竹人形と様々にご覧頂けます。都会では失われて久しいゆったりとした時間の流れの中で、それぞれの家の人たちが出てきて説明もしてくれます。「人形に出会いながら人に出会う思い出深い旅」となられることでしょう。まさに日本にもまだこんな所が残っていたと驚ける、和の文化の凝縮が堪能できます。嬉しいことに何度お越し頂いても、何軒ご覧になってもすべて無料ですので、既に来られた方も、まだ来られたことの無い方も、一段と盛り上がりを見せている「町屋の人形さま巡り」をお訪ね頂くべく、今から是非に村上行きをご計画下さい。60数軒の参加店はもとより、村上あげて皆様のお越しをお待ち申し上げております。
   本年もよろしくお願い申し上げます。

  
写真・文 吉川 真嗣・美貴



水引のかかった菊炭飾り



早撰堂のひな人形(大町)



益甚酒店の武者人形(大町)


おすすめ食事処
会津名産
 本ぼうだら煮
 にしん山椒漬

 
福島県会津若松市相生町
 Tel 0242-22-2274



九重園の大名行列(小国町)



上菓子司 会津葵

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