2023年6月号 | ||||||||||
リレー随筆 「鮭っ子物語」 No.236 |
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同郷の絆「東京村上市郷友会」 |
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我が母校、村上高等学校の創立は覚えやすい西暦1900年(明治33年)である。そして我が東京村上市郷友会はそれより20年以上も古い1879年(明治12年)の創立となっている。 明治12年某月「村上人士の東都に在る者十数名、九段坂上革源に会し、親睦を厚くし、郷里の人智を開発し、勉学を奨励せんがため、同郷人の会を創立する」とある。これが東京村上市郷友会の原点である。以来145年の長きに渡りその活動目標は揺ぎ無く、同郷の絆を大切に先輩達そして我々に活動が引き継がれてきている。 私が東京村上市郷友会の行事に初めて参加したのは20年位前となる。以来、会長に就任したばかりの赤見市郎会長のもとで開催されていた9月の鮎を食べる会や12月の鮭を食べる会での準備など、先輩たちを見習い、その手配などに頑張らせてもらった。 10年前に故人となられた市岡貞夫さんは鮎を食べる会の生みの親ともいえる人である。 同級生という現在の郷友会副会長の平原三男さんと共に、8月には何度も村上に帰り三面川の鮎を調達してくれた。損得抜きに同郷の仲間に三面川の鮎を食べてもらいたい一心だったという。アツアツ焼きたて鮎の串焼きを用意してもらえる会場探しも大変だった。もちろん12月の鮭も同様である。11月末に村上に帰り、三面川の獲れたての生鮭をオスメス10本位手配した。村上の醤油を使っての焼漬けや醤油ハラコを東京で作ってもらうため、会場の調理人さんとの打ち合わせなども大変だった。 故郷をこよなく愛し、懐かしむ人たちの集まり、参加者も村上出身者だけでなくその友人など100名以上となっていた。開催場所も旧県人会館から上野の水月ホテル鴎外荘、お茶の水のガーデンホテル、目黒の庄屋さんなど利用させてもらった。 今、私は新潟県人会の広報のお手伝いをしている。全国でも一番規模が大きいといわれる東京新潟県人会は新発田出身の大倉喜八郎が発起人であり、明治43年の設立である。 現在1000人ほどの会員がいて、ほかに地区郷人会が83もあり活発に活動している。 長く厳しい冬を持つ新潟県人の我慢強く頑張り屋気質は、同じ風土で育った共通認識をもって仲間意識も強く、その絆が強いといわれる。 東京村上市郷友会は会員数などその規模は別としても、県内郷人会の中で一番古く設立された伝統を誇っている。「三面川の鮭を食べる会」などには県人会からも多くの人達が楽しみに参加してもらっている。 今春、東京村上市郷友会の会長を20数年務めてこられた赤見会長が辞任を希望され、私がこの大任を引き継ぐこととなった。その挨拶の意味で今回この原稿を書かせてもらっている。このリレー随筆「鮭っ子物語」の第一回執筆者が赤見市郎会長で2001年となっている。それから22年、この原稿は240回近くなり、バックナンバーで見てみると皆さんそれぞれが故郷への熱い想いや郷愁が感じられる。 この伝統ある村上市郷友会の会長という大任をお受けするにあたり、皆様の変わらぬご支援とご協力を切にお願いする次第です。 |
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