2023年5月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.235



「思えば遠くへ来たもんだ」


 
佐藤 喜美男
(さとう きみお)
 昭和42年村上高校卒
山形大学工学部卒



 カールベンクス宅前にて
(十日町)



 自宅前にて



 
 インド、タジマハールにて



ストックホルム(スウェーデン)市庁舎前にて



スイスのマッターホルン



鳥海山頂上

 いつの間にか人生街道のゴールもおぼろげに見え始め、後期高齢者の仲間入りにもなる年頃となってしまいました。しかし何とか元気でここまで来れたことがありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。

 そう言えば村高の校歌ですが、今でも覚えておられるでしょうか(ちなみになんと5番まであります)。一番は「豊栄昇る朝日子の 光はいよよ輝きて 真理を求めたゆみなき われらが使命果しなむ」でしたね。自分の使命を果たすことができたかどうか、私はちょっと心配ですが。

 同級生は一クラスが何と五十人編成で、それが十一組。団塊の世代とは言え、大した人数でしたね。私の通学手段は、旧朝日村(猿沢)から国道七号線を利用し、自転車やバスで通っていました。

 たまに高校の卒業アルバムを見ることがあります。あの頃に戻って、あの人、この人、あっあの人・・・。七十半ばになる、この年になっても結構あの頃を思い出せたりするものですね。今でも食べたいと思うちくにのラーメン、トラヤのパン、甘党の焼きそばなど、思わずニンマリしながら昔を懐かしむ一時の楽しさがあります。

 ところで高校卒業後、皆さんはそれぞれどんな人生を歩んで来られたのでしょうかね。島倉千代子の「人生いろいろ」ではありませんが、私も自分なりに人生街道をのらりくらりと歩んで来ました。現在、新発田市五十公野で豊かな自然に囲まれて、古民家暮らしをしています。ぽつんと二軒家、静かでいい所です。

 これまでを振り返ってみると、村高卒業後、一浪して大学に進学。しかし三年の時に学業に専念する気持ちが萎み、やむなく休学。日産座間工場でアルバイトをし、貯めたお金で外国旅行を思い立ち、横浜港を出発して八か月間の貧乏旅行のスタート。まずロシア、ウクライナ、トルコへ。そこから地中海に沿って、ドイツ、オーストリア、スイス、フランス、スペインなどヨーロッパの国々を電車とヒッチハイクで移動。ついでに対岸のモロッコ、アルジェリアへも。

 帰りの旅費を稼ぐために、地中海を横断して再びフランスに入って北上し、ストックホルムで四か月間、レストランでアルバイト。帰りはインド、タイ、台湾経由で帰国し、復学。結局、六年間も在籍してしまいましたが、大学院生のような顔をして何とか卒業しました。

 しかし、就職して千葉の新日鉄君津工場で働くも、今度は教師になりたい思いに駆られて三十歳で転職し、新潟県の小学校教員に。約30年間がんばって定年まで勤務。その後、学校や障害者施設の職員として働き続け、小学校の担任(講師)を最後に七十四歳で仕事を離れ、やっと、この四月で人並にサンデー毎日を迎えました(万歳!)。

 趣味はスキー(一級)。そば打ち(素人3段)、森林インストラクター、畑での野菜栽培、山登り、歌とギターで音楽ボランティアなど。まだまだ元気で長生きしたいので、この四月にバイク(250CC)を買うことを決め、現在、自動車学校通い。また俳句を本格的に始める1年目としています。

 高齢になってもいろいろなことにちょっと挑戦し続け、身体と頭を鍛え続けて長生きする、それこそが我が青春、我が途だと思っています。「人生いろいろ」、これからもやりたいことだらけですが、忙しくも楽しい毎日を過ごしています。
                              (完)

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次回予告

 
リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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