2021年5月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.212



イヨボヤのつぶやき


故郷は遠きにありて思うもの … 室生犀星の詩 冒頭の歌い出しだけだと故郷を懐かしむ詩のようだが、最後まで読むと帰るところのあるまじやと結んでいる、二度と故郷に帰るまいと決心した詩とのこと、昨今里帰りに来ないでくれなんて言われると室生犀星の気持ちも解からんでもない。
世界的な新型コロナウイルス騒ぎで、長い自粛生活をやむなきに至り独り言が多くなったように思える。
鮭っ子物語とは外れるかもしれないが、つぶやきと言うか、ボヤキと言うか、最近の出来事から思いつくままに書いてみたい。
イヨボヤとハラコ・飯鮨・酒びたし・柳カレイそれに初しぼりのお酒 故郷の料理を味わいながら埼玉県飯能での14年目のお正月、今年は遠出もできず雪の少ない富士山を6階の住まいから眺めながら過ごしたが、昨年二月に中学の同級会をするべく瀬波温泉に宿を予約、準備万端整えたのにコロナ騒ぎで直前に中止やむなきに至り、コロナ騒ぎが落ち着いたらやろうと言ってはみたものの果たして次の機会があるのだろうか、計画推進役の渡辺喜一君始め幹事一同をがっかりさせてしまい本当に気の毒な事をした。
昨年、例年通り長楽寺に墓参りに行こうと新潟に住まいする妹に電話したら他県ナンバーの車で来たら石を投げられるよ!来ないほうがいいなんて言われるし、公の行事は軒並み中止となり趣味の集まりや催し物も中止や延期
そんなことで自粛生活、断捨離までは行かないが片付けや不用品の整理等をしながら思いを巡らせていると、幼き頃上町に居た頃のことを思い出した、九重園の十兵衛様が大きな体躯で目の前を何やらつぶやきながら歩いていたことを思い出した。
時代の変革期に十兵衛様は何をつぶやいていたのだろうかと思ったわけで、きっと言いたいことが多すぎたのかも、今年二月中旬に従弟の勝君から宝田明の自叙伝を紹介され購入して読み、故郷の光景が思い出されたせいもあるかもしれない。
宝田さんがいまだ現役で自身の体験の語り部として活躍されておられることに頭が下がる思いです。
終戦後帰国までの経緯や村上に戻ってからの生活の様子など読んでいると自分の幼き頃も目に浮かぶ、成人して上京、自分の結婚式のスピーチで言われたことだが、明治が戦争をおっぱじめて、大正が戦って負け、昭和世代は後始末世代だ、しっかり頑張ってほしいと、昭和時代高度成長は成し遂げたとは言え、平成・令和と年号は変わったが、北方領土は還らず、竹島は勝手に線引き占領され歴史の残滓を償いせよと解決済みまで持ち出され、尖閣諸島は横やりを入れられ、米国の援護頼みの占領軍政策からいまだに抜け出せず、地位協定改定もままならず日本国は本当に独立国なのだろうか、考え込んでしまう。
それなのにモリカケが去ったと思ったら、今度は新型コロナにオヤコドンと来た、私利私欲忖度に絡むお役人、芸能プロダクションのお先棒担ぎのような井戸端報道ばかりのマスゴミ達、本当にぼやきたくなることばかり。
旅行関係業者を喜ばせるのは良いがゴーツートラベルで感染者を増やし、緊急事態宣言の繰り返し、人々の密なる行動が感染者を増やしていることは間違いない事実だ、感染対策やワクチン接種が行き渡ってからにしてほしいものですね。
ワクチン開発も他国に先を越され、売り手の言いなり条件で輸入に頼るしかない現況、自国ワクチン開発の遅れはどうしてでしょう、一刻も早い開発が待たれます。スーパーコンピューター『富岳』は利用できないのでしょうか、
人口が増え人間の営みが地球温暖化を進めていると盛んにエコ・エネルギーへの転換を推進しているが、果たして本当だろうか、1982年(昭和57年)に発刊された・気温の周期と人間の歴史(原田常治著)で、太陽と地球の関係で温暖・寒冷の周期を繰り返しており、あらゆる生物が気温に左右される、現在は温暖期にあり温暖化は2030~2050年頃まで進むと40年も前に言っている。
人間の営みなどちっぽけなもので防ぎようがないと、温暖化が進み北半球は食糧が増産され人口が増加、自由闊達な思想が盛んになると、まさに言われるとおりに進んでいる。
しかし、現在温暖化が進みすぎて大規模な自然災害の増加で、次は食糧危機が予測され食糧の争奪戦から争いは多くなるだろうと思われる。
地球上で耕作可能な土地は限られており、多くは国際的のメジャーに買い占められていると聞く、生存に欠かせない水もしかり水道の蛇口から飲める水が出るのは世界数か国しかないと聞く、四季があり自然豊かなこの国の水と土地が外国に狙われていると云う。
又、空と海の交通の要所として大陸の出口をふさぐように横たわる日本国は大陸国からすれば目障りで邪魔と言っても差し支えないだろう、ロシアが北方領土を返さないのは、そんな戦略的の事由もあるようだ。
人口減少で人手不足から外国人を頼りにするより一億人以下でも成り立つ国造りと他国に頼らない安全保障と食糧自給率を高めなければならない、コロナ騒ぎで解かったように本当に困ったときは自国優先が必然なのだ。
ちょっとボヤキが過ぎたので、気分転換
終の棲家と決めた飯能も消滅都市と言われ人口も8万人割り込んだが、最近何度か報道される機会がありご存じの方も多いと思いますが、幾つか紹介させてください。
先ずは、「メッツァ」ムーミン・バレーパーク・人造湖の周りに北欧風の建物まさに北欧童話の世界です、湖でカヌーも楽しめます。次はОH!!! 発酵食品のテーマパークです、発酵、健康、レストランも併設され賑わっています、それに飯能川原断崖絶壁に建つ異国情緒満点のアラビア風建物、内装も凝っていますブルワリー&レストランこちらも地中海・アラビア料理とクラフトビールが楽しめます。
河原は川遊びやキャンプ・バーベキューで賑わいます。
今年は,大河ドラマ青天を衝け、渋沢栄一が放送されていますが、飯能はご本人が何度か訪れた所縁の地としてさらに渋沢栄一の妻の弟で栄一の養子になった渋沢平九郎が戊辰戦争の際、旧幕府軍(振武軍)として参戦、飯能戦争で新政府軍に圧倒され敗走、途中割腹して果てた県内随一の局地戦あった場所です、更に明治16年4月18日には近衛諸兵の対抗演習を視察に明治天皇が足を運んだ天覧山(旧名羅漢山)や明治神宮を誘致請願した朝日山こちらは現在展望台が作られており富士山も遠望できる見晴らしの良い場所です、11月初旬の飯能祭りには11台山車が巡行大勢の人達で賑わいます。
飯能は地盤が良いと言われ自然災害も少なく安心して住める所です、是非一度訪れて見てください。
生まれた川に戻れなかった、はぐれイヨボヤのつぶやきでした。
今年は帰れるかなー
令和2年3月 第二の故郷飯能にて、



本間 健志
(ほんま けんじ)
桑川小学校 昭和28年卒
村高定時制夜間11卒
平成16年6月東洋製織グループ関連会社 東洋石油㈱(現、東罐商事株式会社)常務取締役,大阪営業所長役職定年 
現在飯能在住
(80歳)







孫と近くに日和田山に登った時




住まいのマンション屋上からの
富士山





八高線の入間川陸橋









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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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